我孫子総合事務所・相続・遺言・債務問題

相続手続き・遺言書作成代行から債務問題の解決まで

プロフィール

我孫子総合事務所(AIO)

Author:我孫子総合事務所(AIO)
災害で犠牲になられた皆様に衷心より哀悼の意を表し、そのご冥福をお祈り申し上げます。

また、被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。

そして、一日も早い復興を切にお祈り申し上げます。

What is a Nintei-Shiho-Shoshi Lawyer? 

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on. The summary courts have the original jurisdiction over civil cases ,involving claims for amounts not exceeding 1,400,000 yen.
There are 438 summary courts in Japan.


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相続税の改正

基礎控除の縮小

2015年以後の相続税の基礎控除の算出方法

2014年12月まで 5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)=基礎控除額

2015年1月以降 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=基礎控除額




グレーゾーン金利とは

利息制限法という法律があります。
これは、お金を貸した場合の利息について定めた法律です。
この法律によれは、最高年20%を超える利息は、「超えた部分について無効」としています。
ところが、実際には消費者金融の貸付や信販会社のキャッシングの多くは、年20%以上29.2%以下の利率をとっています。
これは、これらの貸金業者については、「出資法」という法律があり、年29.2%を超える利率による貸付は罰せられるからです。
この「利息制限法」による金利と、「出資法」による金利との差の部分が、「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。
つまり、黒でも白でもない微妙な部分というわけです。
ところが、最近の裁判では、この「グレーゾーン金利」の部分は無効であるという判決が多く出されています。
これによって、貸金業者からお金を借りた人が、支払ってきた金利のうち、「利息制限法」を超える利息は無効とされることとなりました。
つまり、「グレーゾーン金利」は、はっきりと「ブラックゾーン金利」となったわけです。
したがって、既に支払った無効な部分は、元金の支払に充てられるべきだとされたのです。
そのため、過去の取引を「利息制限法」の利率で計算しなおす必要が生じました。
この計算のことを「引き直し計算」といいます。
この「引き直し計算」をすると、多くの場合は元金が減り、場合によっては元金すら払い過ぎていることがあります。
この払い過ぎたお金のことを、「過払い金」と呼んでいます。


不動産登記規則の一部が改正されます。

今般、不動産登記の申請情報およびその添付情報等の保存期間を延長するための整備を行うとともに、商業・法人登記事務の集中化の実施にともなう整備のために規則の改正が行われます。

概要は次のとおりです。
① 不動産登記規則第28条に定める情報の保存期間について、不動産登記の申請情報及びその添付情報等の一部の情報の保存期間を30年に延長する。
② 規則第36条の資格証明情報の省略等の取扱いにつき、商業・法人事務の集中化の実施後において、集中化により商業・法人事務を取り扱わないこととされる登記所が不動産登記の申請を受けた場合であっても、従前と同じ扱いをすることができるようにする。
③ 平成20年7月下旬、公布・施行の予定。



不動産登記令の一部改正(半ライン方式)
添付情報別送方式・特例方式

オンライン申請を可能にする新不動産登記法が施行されてから二年が過ぎました。
しかし、その活用はきわめて低調です。
その原因は、オンライン申請に必要となる公的個人認証(住民基本台帳カード)が全くといっていいほど普及していないことと、登記の添付情報とされている公的機関の証明(戸籍謄本、各種許可書、裁判書等)の電子化が進んでいないことにあります。
このような状況が改善されなければ、不動産登記のオンライン申請件数の増加期待することは困難です。
そこで、このような状況が一定程度解消されるまでの間、オンライン申請の際の添付情報の全部又は一部を書面で送付すること(別送)が許容されることとなりました。

内容
① オンライン申請をする場合に、添付情報が書面に記載されているときは、当分の間、その書面を登記所に提出する方法により添付情報を提供することができるものとします。
  添付情報が書面に記載されている場合としては、例えば、委任状(実印を押印し、印鑑証明書を添付する)を作成した場合や、売買契約書を作成して売買した場合などが想定されます。
② 添付情報を別送する場合には、申請情報(及び添付情報の一部)がオンラインで送信されることが必要ですが、その送信後の取り扱いの明確化を図るため、その旨が申請情報に盛り込まれることとなります。
③ 別送を認めることにより、オンライン申請の場合にも添付情報の一部が書面で提出されることとなるのに伴い、書面申請に関する規定のうち、必要な規定については、準用することとなりました。
イ) 第17条、公務員が作成した代表者の資格証明書等については作成から3か月以内のものを使用するとなどを定めた規定
ロ) 第18条、委任による代理人(復代理人を含む)の権限を証する情報を記載した委任状には、本人等の記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を貼付しなければならないことなどを定めた規定
ハ) 第19条、承諾書面・同意書面が必要になる場合には、作成者が記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を添付しなければならないことを定めた規定
④ 特に、権利の登記については、登記原因が備わっていないにもかかわらず、順位の確保を図ることを目的として、オンライン申請を行うおそれがあることから、登記原因を証する情報を記載した書面を提出する場合には、あらかじめ、その書面に記載された情報を記録した電磁的記録を提供しなければならないものとされています。
この電磁的記録とは、具体的には、書面をスキャナーで読み取って作成したPDFファイルのことです。
なお、この電磁的記録の送信は、添付情報の原本となる書面の写しをあらかじめ送付させるのと同様な意味合いですから、その作成者が誰であるかは必ずしも重要とはいえません。
そこで、登記令第12条第2項の適用除外を設け、作成者は電子署名を行うこと要しないものとされました。
⑤ 施行日
平成20年1月15日


各位
                       平成19年11月吉日
              
司法書士法人 我孫子総合事務所

晩秋の候、貴社におかせられましても、ますますご清栄のことと存じます。
さて、明年度より下記のとおり「オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度」
が創設されましたので、取り急ぎお知らせいたします。
なお、本事務所におきましても、極力本制度を取り入れ、お客様の税負担軽減のお手伝いをいたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度の創設

平成20年1月1日から平成21年12月31日までの間に、電子情報処理組織を使用して次の登記の申請を行った場合には、その登記に係る登録免許税額から、その100分の10に相当する金額(上限が5000円)を控除することとされました。

(1) 不動産の所有権の保存若しくは移転登記又は抵当権の設定登記

(2) 次の法人の設立登記
① 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社
② 保険業法に規定する相互会社
③ 中間法人法に規定する中間法人
④ 資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社
⑤ 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人

なお、具体的には、不動産登記に関しては平成20年1月15日、商業法人登記に関しては平成20年1月4日からの施行となります。


控除額は登録免許税額の10%

上限は5000円

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新株予約権制度の見直し

新会社法においては、新株予約権については、規制を受ける時期、消却についての制度が変更し、新株予約権引受権制度は廃止されました。
また、自己新株予約権の行使の禁止について明文化されました。

(1)発行手続
新株予約権の発行手続については、新株発行手続と同様な整理がなされました(会社法238条以下)。

(2)新株予約権としての規制時期
現行法上では、有償で発行される新株予約権の割当を受けた者は、払込期日に全額を払い込まなければなりません。もし、これを怠ると失権することになります(商法280条ノ19)。
したがって、有償で発行された新株予約権の規制に服する時期は、発行価額の全額を払い込んだ時期しなりますが、無償発行された新株予約権については、このような規制はありませんでした。
 そこで、新会社法では有償で発行する場合と、無償で発行する場合とを区別することの理由がないとして、有償で発行する新株予約権についても、その払込期日前であって、新株予約権としての規制(新株予約権原簿等への記載、合併等による承継)を受けることとしました(会社法245条、246条等)。

(3)自己新株予約権の行使
新会社法は、自己新株予約権の行使の禁止について、明文化されました(同法280条6項)。

(4)一株に満たない端数の処理
新会社法は、新株予約権の行使により一株に満たない端数が生ずる場合において、あらかじめ端数に相当する価額を償還しない旨を定めていないときは、端数に相当する価額を金銭で償還することとしました(同法283条、236条1項9号)。

(5)新株予約権の消却
新会社法においては、新株予約権の消却についても、その取得及び自己新株予約権の消却として整理するものとし、その取得対価(現行法における消却対価)として、株式を交付することができるものとしました。

(6)取得条項付新株予約権
新会社法において、一定の事由が生じたことを条件として、会社が取得することができる新株予約権を発行することができるようになりました(同法236条1項7号)。(Y.I)
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2006/02/28 16:04|商業TB:0CM:0
株券喪失登録制度の見直し

現行上の株券喪失登録制度においては、株券を喪失した者が、株式会社に株券喪失登録申請を行えば、異議申請等で株券喪失登録の抹消がされない限り、申請の翌日から1年を経過した時点で次のような効果を生じます。
①登録した株券が無効となります。
②株券喪失登録者が名義人でない場合は、名義書換をした者とみなされます。
③株券の再発行を受けることができます。
④株券喪失登録期間中に株式の分割等が行われた場合には、新株等の交付を受けることができます。
しかし、現行法上の株券喪失登録制度には、譲渡制限株式について、株券の取得者は発行株式会社の承認抜きで、期間の経過により名義書換をしたものとみなされるという問題がありました。
そこで、新会社法は、この制度の目的を、①登録した株券を無効にすること(会社法228条1項)、②株券喪失登録者に株券の再発行を行う(同法228条2項)、③株券喪失登録中の名義書換えの禁止(同法230条1項)に絞り込んで整理しました。
同時に、登録者が名義人でない場合の名義書換みなし規定や登録期間中に株式分割等が行われた場合の新株券等の交付の制度は廃止されました。
以上の変更の結果、株券喪失登録者が名義人でない場合には、
①譲渡制限株式については、
登録者は、株券の再交付を受けた上で、譲渡承認の請求をしなければならないこととなりました。
②期間中に株式分割等が行われた場合には、会社は名義人に新株券を交付すれば足り、登録者は、名義人に対し、新株券について不当利得返還請求をしなければならないこととなりました。(Y.I)
2006/02/28 05:55|商業TB:0CM:0
株券の不発行制度

(1)株券の不発行
現行法では、定款に株券を発行しない旨の定めがない株式会社は、原則として株券を発行しなければならないこととなっています。
ところで、平成16年商法改正によって、株券不発行制度が設けられたのは、①株券を発行するとその紛失、盗難等のリスクを負うこととなる、②中小の株式譲渡制限会社にあっては、事実上、株券を発行していない、③上場企業の株式の流通は大規模に行われるため、それらの移転に株券を必要とするのは手間がかかる、④株券の流通を迅速に行うための株券保管振替制度が導入されたが、すべての株券が保管振替制度に預託されているわけではない、等の理由によるものです。
そこで、新会社法は、株式会社の株券不発行を原則とする旨を明文化しました(会社法214条)。

(2)株券を発行する旨の定款の定めの廃止
株券発行会社が、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、定款変更の効力が生ずる日の2週間前までに、①その株式に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨、②定款の変更が、その効力を生ずる日、③②の日において、当該株式会社の株券は無効となる旨を公告し、かつ、株主および登録株式質権者には、これを通知しなければなりません(同法218条1項)。

(3)保管振替利用会社
株券保管振替制度を利用している公開会社(保管振替利用会社)については、現行商法227条施行の日から5年以内の政令で定める日(一斉移行日)に、一斉に株券の不発行について定款の変更決議をしたのとみなされ、新しい振替制度へ移行することになっています。(Y.I)
2006/02/27 16:57|商業TB:0CM:0
新株無償割当制度の新設

(1)株式無償割当とは、
株式会社が株主に対して新たな払込をさせないで、株式会社の株式を割当てることをいいます(会社法185条)。
新会社法によって、新設された制度ですが、株式分割による株主への利益配当と同様な効果を生じます。
現行法上では、株主への配当可能利益による新株発行は、配当可能利益の資本組入れと株式の分割という形で行われています。

(2)株式分割と株式無償割当との違い
株式分割(会社法183条)とは、ある種類の株式について、一定の割合で一律にその数を増加させることです。
これに対して、株式の無償割当とは、株主(当該株式の発行株式会社を除く。)に対して、その有する株式の数に応じて一定の割合により、新たな払込をさせないで、株式の発行または自己株式の交付を行うことをいいます。
このように、株式の分割は、株式の計数の変動であるのに対して、株式無償割当は、株式の発行または自己株式の交付であるため、次のような相違点が生じます。
①株式の分割においては、同一種類の株式の数が増加するのに対し、株式無償割当においては、同一または異種の株式を交付する交付することができます。
②株式の分割においては、自己株式が増加しますが、株式無償譲渡においては、自己株式には割当てを行いません(同法186条2項)。
③株式無償割当においては、自己株式を交付することができますが、株式の分割においては、自己株式の交付は生じません。

(3)株主無償割当に関する事項の決定
株式会社が、株式無償割当をするときは、その都度、一定の事項を株主総会の決議において定めなれればなりません。ただし、取締役会設置会社であれは、その決定は取締役会の決定で足ります。また、定款で別段の定めを設けている場合には、それに従います(同法186条3項)。

(4)株式無償割当の効力発生日
株式の無償割当を受けた株主は、会社が決定した株式無償割当が効力を生じる日に、割り当てられた株式の株主になります(同法187条1項)。

(5)株主等への通知
株式会社は、株式無償割当がその効力を生じた日の後に、遅滞なく、株主、種類株主、登録質権者等に対して、当該株主が割当を受けた株式の数、種類株式の数等を通知しなければなりません(同法187条2項)。(Y.I)
2006/02/27 10:48|商業TB:0CM:0
明治40年に制定された刑法では、窃盗罪で「10年以下」の懲役刑しか定められていません。軽微な場合には訴追されないこともあり、改正で「50万円以下」の罰金刑が新たに導入されます。
 制定当時は、「罰金を払うこともできない貧乏人の犯罪」との認識が大勢を占め、実効性のある懲役刑だけが規定されたとみられます。
法務省は、改正法案の今国会成立を目指しています。
2006/02/26 17:00|法律情報TB:0CM:0
株主名簿管理人制度の新設

現行法上の株主名簿の名義書換代理人は、株式会社との契約により株主名簿の名義書換業務を代行するのです(商法206条2項)。
名義書換業務を代行するために、株主名簿またはその複本を備え置く義務を負い、名義書換代理人において備え置かれた株主名簿の複本になされた名義書換は株主名簿になされたのと同じ効力を有します(同法206条2項)。
なお、現行法では、株主名簿、株券喪失登録簿および端株原簿の名義書換を共通して取り扱う名義書換代理人の他に、新株予約権原簿の名義書換を取り扱う名義書換代理人および社債原簿の名義書換を取り扱う名義書換代理人が存在しています。
新会社法においては、名義書換代理人が、名義書換業務だけでなく、名簿の作成、備置きをも行うものであるところから、これを「株主名簿管理人」と称することとしました(会社法123条)。
また、新会社法においては、株式会社が取得条項付株式を取得して、その対価として新株予約権を交付し、または取得条項付新株予約権を取得した、その対価として株式を交付することが可能となったため、株主名簿を管理するのと新株予約権原簿を管理するのが同一の者であることが適当であると思われます。そこで、新会社法は、「株主名簿管理人」が株主名簿および新株予約権原簿の両方に関する事務を取り扱うこととしたのです(同法251条)。
(Y.I)
2006/02/26 14:01|商業TB:0CM:0
株主名簿

新会社法は、株主名簿の名義書換や閲覧について、次に掲げる見直しを行いました。

(1) 名義書換
①株主の名義書換の請求手続が明文化されました(会社法133)。
②株式会社が株式を発行した場合についての株主名簿への記載(記録)の規定が新設されました(会社法132条1号)。
③株式会社が自己株式を取得する場合および株式会社が自己株式を処分する場合について、株主からの申請なしに株主名簿の記載を変更しなければならないこととしました(同条2号、3号)。
④譲渡制限株式について、株式会社が譲渡を承認しない場合には、株式の取得者が名義書換を請求できないことが明文化されました(同法134条)。

(2)閲覧請求
 現行法においては、株主及び会社の債権者は、営業時間内いつでも株主名簿の閲覧・謄写を求めることが認められていました(商法263条)。
ところが、新会社法においては、一定の場合には、この閲覧・謄写を拒絶することができるものとされました(会社法125条3項)。
これは、株主名簿の閲覧・謄写制度については、いわゆる名簿屋が利用し、入手した名簿により経済的利益を得ているという弊害が指摘されていました。また、プライバシー保護の観点からも問題が提起されていました。
さらに、株主名簿の閲覧・謄写請求が不当な意図・目的に基づくなど濫用的なものでることが立証された場合には、会社はその請求を拒めるという判例もありました。
そこで、新会社法では、次のような拒否事由が定められました。
①請求者(当該請求を行う株主または債権者)その権利の確保または行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき
②請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主共通の利益を害する目的で請求を行ったとき
③請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、またはこれに従事するのであるとき
④請求者が株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するために請求を行ったとき
⑤請求者が、過去2年以内において、株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したものであるとき。

注、株主名簿の閲覧・・・株主や会社の債権者は、会社が保管している株主名簿を見ることができます。この権利のことを「株主名簿の閲覧請求権」といいます。
株主名簿は、株式会社の本店または株主名簿管理人がいる場合には、その営業所に備え付けられています。
(Y、I)
2006/02/26 11:50|商業TB:0CM:0
議決権に関する基準日

現行法においては、基準日に株主名簿に記載されている株主のみが議決権を行使し得る株主であるとさだめられています。したがって、基準日後に新株予約権または新株引受権の行使により株主となった者については、当然、議決権を有しないとされています。
しかし、当該基準日後に組織再編が行われた結果、新たに生じた株主に、取締役の選任等についての株主総会で議決権の行使をすることができるようにするべきである、という実務上の要請がありました。
そこで、新会社法は、株式会社は、基準日後に株式を取得した者の全部または一部を議決権を行使することができる者と定めることができるのとしました(会社法124条4項)。
新会社法は、議決権を行使させる者を決定する基準や要件を定めていませんので、いかなる株主に議決権を行使させるかは、基本的には会社の裁量に委ねられていることになります。
しかし、新会社法は、株式会社は、株主をその有する株式の内容及び数に応じて、平等に扱わなければならない、と定めています(同法109条1項)。
したがって、いかなる株主に議決権を行使させるかを決定する際には、株式会社は、この「株主平等」の原則に配慮しなければなりません。(Y.I)
2006/02/25 15:35|商業TB:0CM:0
少数株主権・単独株主権

少数株主権とは、一定数以上の株式を保有する株主に認められた株主の権利のことで、現行法上、100分の3以上の議決権をもつ株主に認められた「取締役・監査役の解任請求権」や100分の1条の議決権をもつ株主に認められた「株主提案権(総会決議提案権)」などがあります。この制度は、大株主や取締役が少数株主の利益を侵害するような業務執行を行うことを予防することが主目的の権利です。ところで、平成13年の第79号商法改正により、自己株式の取得が原則として自由化されたため、議決権、剰余金分配請求権等の本来は認められるべき性質を有する自己株式を相当数会社が保有するという事態が起こりました。その結果、発行済株式総数が、現に会社に対して権利を行使することができる株式の数より多くなり、少数株主の権利が希薄化されるおそれが生じてきました。その上、同年の第128号改正により、議決権制限株式を有する株主の少数株主権について、定款をもって制限することができるものとされました(商法222条4項)。しかし、少数株主権のうちには、株主として当然認められなければならない性質のものも含まれています。それは議決権の有無や定款の定めによって制限することは適当ではありません。

(1)少数株主権の見直し
そこで、新会社法では、少数株主権を株主の議決権の有無とはかかわりなく、株主であれば当然認められるものとそうでない者とに区分して、前者に対しては、少数株主権の要件として、従来の議決権基準に加えて、株式数基準を導入することとしました。ただし、株式数を基準とする行使要件の算定にあたっては、自己株式の数は除外するのとしています。
自己株式は、株式の種類にかかわらず、議決権を有しないものであり、これらの数を計算の基礎に含めることとすると、自己株式の数が大きい場合には、他の株主による少数株主権の行使を不当に制限する可能性のあることから、これらの数を計算の基礎から除外することとしたのです。
具体的には、次のとおりです。
①帳簿閲覧権(会社法433条)、②業務財産調査ための検査役選任請求権(同法358条)、③解散請求権(同法833条)については、議決権総数に占める議決権数が一定割合以上の株主または一定の割合の株式数を有する株主が行使できるものとしました。
また、④取締役等の解任請求権(会社法854条)についても、解任決議につき行使することができる議決権総数に占める議決権数が一定の割合以上の株主または一定の割合の株主数を有する株主が行使できるものとしています。
一方、株主提案権、総会招集請求権及び総会検査役選任請求権についてと単独株主権(議決権行使書面・代理権を証する書面等の閲覧・謄写請求権等)については、その行使を法律でもって保障し、議決権を行使することができない事項に係る権利については、その行使をすることができないものとしました(同法297条、303条、305条、310条7項)。

(2)取締役会非設置株式会社にあっても、少数株主権の要件については、現行の株式会社と同様なものとし、定款をもって、少数株主権とされている権利の全部について、その行使要件を引き下げ、または単独株主権とすることは妨げられないものとしました。

(3)非公開会社においては、単独株主権・少数株主権における6カ月の保有期間制限は課せられないものとしています(同法297条2項等)。(Y.I)
2006/02/24 14:09|商業TB:0CM:0
親会社と子会社

(1)親会社と子会社の意義
現行法上では、株式会社が、他の株式会社又は他の有限会社の議決権の過半数を有する場合、当該他の株式会社又は他の有限会社のことを「子会社」であるとし、過半数の議決権を有する株式会社のことを「親会社」であるとしています(商法211条ノ2)。
また、有限会社が、他の株式会社又は他の有限会社の議決権の過半数を有する場合、当該他の株式会社又は他の有限会社のことを「子会社」であるとし、過半数の議決権を有する有限会社のことを「親会社」であるとしています(有限会社法24条1項)。
このように現行法上の「親会社・子会社」の概念は、①対象となる法人が株式会社・有限会社に限定され、②議決権の過半数という形式基準に従っています。
ところが、商法上の他の関連規定の趣旨や商法特例法(19条の3)における修正等にも見られるように、過半数といった形式的基準より、「実質的な支配関係」という概念を持込むほうがより合理的である考えられます。

(2)新会社法上の概念
そこで、新会社法においては、①対象となる法人は株式会社に限定せず、②議決権の過半数という形式的基準をはずし、実質的支配の有無に基準を変更しました(会社法2条3号、4号)。
なお、会社法施行規則(3条,4条)によれば、親会社及び子会社の定義は、「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」という実質基準を用いることとしています。また,親会社及び子会社には,会社以外の法人,法人格を有しない組合等も含まれることとしています

(3)親会社株式の取得規制の緩和
現行法上では、子会社がその親会社の株式を取得することは、原則として禁止されていますが、一定の場合に限って、例外としてその取得が認められています(商法211条ノ2第1項)。しかし、新会社法においては、組織再編行為時の対価が柔軟化されることとの関連で、当該例外事由を次のように拡大しました(会社法135条2項5号)。
①柔軟化された対価として、親会社の株式の割り当てを受ける場合に親会社の株式を取得することを認める。
②子会社が組織再編行為を行うに当たって、当該組織再編行為の対価として親会社の株式を交付するために、親会社の株式を取得することを認める。
なお、外資系企業による日本企業の敵対的買収を懸念する経済界の要望を踏まえて、合併対価等の柔軟化を可能とする規定は、会社法施行の日後1年間の間は適用しないこととなりました(会社法附則4項)。

(4)相互保有株式の議決権の制限
現行法では、株式会社又は有限会社が、他の株式会社の発行済株式総数の4分の1を超える株式または他の有限会社の4分の1を超える出資口数を有する場合には、この株式会社又は有限会社は、それが有する会社の株式について、議決権を行使することができない、としています(商法241条3項)。
これは、そのような議決権行使しうるとするのは、健全ではないという趣旨に基づく規定だといわれています。なお、現行商法においては、相互保有株式により議決権の行使が制限される株主は、株式会社又は有限会社に限られていますが、発行会社が強く影響を及ぼし得ることを理由に議決権の行使を認めるべきでない者は、株式会社又は有限会社に限られるものではありません。そこで、新会社法においては、株式会社、有限会社に限定せず、外国会社を含む法人等について、発行会社が実質的に支配することが可能な関係にあるものについても議決権の行使を認めないこととしています(会社法308条1項)。
また、新会社法においては、持合の要件について、議決権の保有割合という形式的な要件だけに限定せず、株式会社がその総株主の議決権の4分の1以上を有すること、その他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主は議決権を有しないものとしています(会社法308条1項)。(Y.I)

2006/02/24 05:22|商業TB:0CM:0
種類株式に関する株式買取請求権

(1)現行法では、株式に譲渡制限の定めを設ける場合には、株式買取請求ができるものとされています(商法349条)。
新会社法においては、株式の種類ごとに譲渡制限の定めを設けることができるようになったため、①当該種類の株式に譲渡制限の定めを設ける場合(会社法111条2項1号)、②当該種類の株式の取得の対価として交付される予定の株式に譲渡制限の定めを設ける場合(同法111条2項2号、3号)には株式の買取りの請求ができることとしました(同法116条1項2号)。

(2)新会社法においては、種類株式については、次の場合に、株式買取請求をすることができることになっています(同法116条1項2号)。
①当該株式に譲渡制限の定めを設ける場合
②当該株式に全部取得条項の定めを設けるとき
③当該株式が取得請求権付株式である場合において、取得の対価として交付される予定の株式に①または②の定めが設けられている場合
④当該株式が取得条項付株式である場合において、取得の対価として交付される予定の株式に①または②の定めが設けられている場合
(Y.I)
2006/02/24 02:40|商業TB:0CM:0
全部取得条項付種類株式

(1)全部取得条項付種類株式とは
2以上の種類の株式を発行する株式会社において、そのうち1つの種類の株式の全部を株主総会の特別決議によって取得できる旨の定款の定めがある種類の株式のことを、全部取得条項付種類株式といいます(会社法171条1項、108条1項7号)。
現行法上では、会社が株主全員からその保有する株式全部を取得しようとする場合には、その全員の同意を得て取得する以外には手段がありません。
これでは、いわゆる100%減資等を円滑に行うことは困難です。
そこで、新会社法は、株主の全員の同意を得ることなしに全株式を取得したいとする会社側の要望と、取得される株式を保有する株主の利益保護を勘案し、その取得には株主総会の特別決議を止めるとともに、取得対価に不服のある株主に対しては裁判所に対する価格決定請求権を与えることを前提にして、全部取得条項付種類株式の制度を新設しました。

(2)株式会社が、全部取得条項付種類株式を発行するためには、定款でその旨を定めなければなりません(同法108条2項)。
その際に、①当該種類株式について、当該株式会社が株主総会の決議により全部を取得する旨及び発行可能種類株式総数、②取得対価の価額の決定方法、③株主総会の決議をすることができるか否かについて条件を定めるときは、条件決定方法等を定款で定めておかなければなりません(同法108条2項7号)。

(3)種類株式発行後に取得条項付株式に変更する場合
種類株式発行会社が、ある種類の株式の内容として、取得条項付株式にする旨の定款の変更をするには、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の特別決議がなければ、その効力を生じません(同法111条2項1号)。

(4)反対株主の株式買取請求権
ある種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によって、その全部を取得することについての定め設ける定款の変更をする場合に、その件につき反対の取得条項付種類株主は、株式会社に対し自己の有する種類株式を、公正な価額で買い取ることを要求することができます(同法116条1項2号)。

(5)全部取得条項付種類株式の取得に関する決定
 全部取得条項付種類株式を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができます(171条1項)。
その際の株主総会の決議事項は次のとおりです。
①当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法
②当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数しくは額またはこれらの算定方法
③全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項
④株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(取得日)
⑤その他

注・100%減資とは、会社の再建のために、株主を入れ替えて新たな出資者を募る場合に、その発行する株式全部を消却することをいいます。
2006/02/23 07:40|商業TB:0CM:0
取得条項付株式

(1)取得条項付株式とは
取得条項付株式とは、株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として、当該株式会社が、一定の事由が生じたことを条件に、当該株式を取得できる旨の定めを設けている株式のことです(同法2条19号)。
これは、今回の改正により新設された制度です。取得の対価が現金の場合は、設計によって現行法上の義務償還株式に該当し、取得の対価が、株式会社の他の種類の株式の場合は、
現行法上の強制転換条項付株式に該当します。新会社法においての取得条項付株式は、これらを整理し、さらに社債やその他の財産を対価とすることも認めたものです。
株式会社は、その発行する株式の全部を取得条項付株式とすることも(同法107条1項3号)、その発行する株式の一部を取得条項付株式とすることもできます(同法108条1項6号)。
普通株式に取得条項を付けるためには、株式の内容を変更する定款変更が必要になりますが、これには、当該普通株式の株主全員の同意を得なければなりません(同法110条、111条1項)。
普通株式に取得条項を付けると、当該普通株式の株主の同意がなくても、一定の事由の発生により、その有する株式が株式会社に取得されてしまうため、あらかじめ当該普通株式の株主全員の同意を得て置くことを必要としたのです。
ところで、株式会社が自社の発行する株式を取得条項付株式とするためには、定款でその旨を定めておく必要があります(同法107条2項)。
これには、
定款には、①一定の事由が生じた日に、当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由、②当該株式会社が別に定めた日が到来することをもって①の事由とするときは、その旨、③①の事由が生じた日に①の株式の一部を取得することにしたときは、その旨及び取得する株式の一部の決定方法等を定めておかなければなりません(同法107条2項3号)。

(2)取得日の決定
定款で、「当該株式会社が別に定めた日が到来することをもって、会社が取得すべき一切の事項が発生したとする旨」の定めがある場合には、株式会社は、「一定の日」を取締役会の決議によって定めなければなりません。なお、取締役会を設置しない会社においては、この決議は株主総会において行われます。ただし、定款で別の定めがある場合には、それに従います(会社法168条1項)。

(3)取得する株式の決定
  株式会社は、定款で取得条項付株式のうちの一部を会社が取得できる旨の定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を選ばなければなりません(同法169条1項)。
この決定は、取締役会を置かない会社にあっては株主総会の決議、取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議によらなければなりません。
ただし、定款で別の定めがある場合には、それに従います(同条2項)。

(4)株主への通知
株式会社が、取得する株式を決定した場合には、その決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、取得条項付株式を取得する旨を通知しかければなりません(同条3項)。
ただし、この通知の代わりに公告で済ますこともできます(同条4項)。
なお、株券発行会社の場合には、取得する株式の株券の提供を受ける必要があるので、効力発生日(同法170条1項)の1カ月前までに、株券提出のための公告及び通知(同法219条1項4号)をしなければなりません。(Y.I)
2006/02/22 12:42|商業TB:0CM:0

取得請求権付株式


(1)取得請求権付株式とは
取得請求権付株式とは、現行法上の償還株式や転換予約権付株式を整理して新設された、新会社法上の制度です。取得の対価が現金である場合には、現行法における義務償還株式に該当し、取得の対価が株式会社の他の種類の株式の場合は、現行法上の転換予約権付株式に当たります。会社法は、さらに社債やその他の財産を対価とすることも認めました。
株式会社が発行する全部又は一部の株式の内容として、株主が当該株式会社に対して株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている株式のことです(会社法2条18号)。

(2)発行手続
取得請求権付株式を発行するためには、定款で次の事項を定めなければなりません(同法108条2項5号)。
①当該種類の株式について株主が当該株式会社に対して取得を請求できること。
②株式1株を取得するのと引き換えに株主に対して、当該株式会社の社債を交付するときは、社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
③株式1株を取得するのと引き換えに株主に対して、当該株式会社の新株予約権を交付するときは、その新株予約権の内容及び数またはその算定方法。
④株式1株を取得するのと引き換えに株主に対して、当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、その新株予約権付社債についての②に規定する事項及び新株予約権付社債に付された新株予約権について③に規定する事項。
⑤株式1株を取得するのと引き換えに株主に対して、当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、財産の内容及び数、もしくは額又はこれらの算定方法。
⑥株主が当該株式会社に対して、その株式の取得を請求できる期間。
⑦その種類の株式1株を取得するのと引き換えに株主に対して、当該株式会社の他の株式を交付するときは、他の株式の種類及び種類ごとの数、又は算定方法
⑧発行可能種類株式総数

(3)取得の請求
取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができます。
ただし、その取得と引き換えに取得会社の社債、新株予約権、新株予約権付社債、株式等以外の財産を交付する場合、これらの財産の帳簿価格が請求の日における会社の分配可能額を超えているときは、取得の請求をすることはできません(会社法166条1項)。

(4)効力の発生
①株式会社は、取得請求権付株式の株主が株式会社に対して、株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求した日に、その株式を取得します(会社法167条1項)。
②その取得と引き換えに当該取得会社の社債、新株予約権、新株予約権付社債、株式等以外の財産を交付する場合、取得請求権付株式の買取を請求して株主は、請求した日に社債権者、新株予約権者等になります(同法167条2項)。

注・償還株式とは、株式を発行した会社が、その株式を買い取ることを予定している株式のことです。
2006/02/21 09:52|商業TB:0CM:0
 耐震強度偽装事件を受け建築・住宅制度の見直しを進めている国土交通省は、すべての新築マンションや新築戸建て住宅の売り主に対し、構造的欠陥に備える賠償保険の加入を義務付ける方針を固めました。
 ところで、2000年に施行された住宅品質確保促進法は新築住宅の売り主などに対し、住宅の構造的欠陥について、10年間の補償を義務付けています。
このように、現行制度でも売り主は、瑕疵担保責任に基づく補償義務を負っていますが、売り主の経営が破たんした場合には、事実上補償が行われないという制度上の不備が、今回の件で露呈してしまいました。
もちろん、国交省は品確法施行と同時に、売主側の破綻に備えて、任意加入の保険「住宅性能保証制度」を導入しました。しかし、売り主がコストアップを嫌い、加入率は僅か10%程度にとどまっているのが実情です。
そこで、国交省は今通常国会での法改正を目指して、近く宅地建物取引業法、建設業法の改正案を提出する予定です。
2006/02/21 04:15|法律情報TB:0CM:0
 法務省は1月4日、民法債権編を、約60年ぶりに抜本的に改正する方針を固めました。
リースによる事務機器の利用やフランチャイズ制のコンビニエンスストア経営など、契約、売買の方法が多様化し、明治時代から基本的な内容が変わっていない現行法では不十分と判断したためです。2008年の通常国会への改正案提出を目指します。
 事務機器や車などに多い「リース契約」では、業者が顧客の希望を受けて物品を購入する。このため、通常のレンタル契約とは違って途中解約ができず、故障の際などにトラブルになるケースが多いといいます。コンビニエンスストアなどの本部が決めた契約事項を、加盟店が受け入れる「フランチャイズ契約」でも、解約をめぐる紛争があります。
これらの契約には明確な法的根拠がないとされ、基本的に当事者間の合意に基づいています。トラブルには、ケース・バイ・ケースで対応しているのが現状です。
法務省は、リース契約などに対応する規定を新設し、「契約を中途解約する際の手続きに関する取り決め」「賃貸物品が故障した場合に業者の責任が及ぶ範囲」などを明記する方向です。
2006/02/20 08:52|法律情報TB:0CM:0
株主平等の原則(その二)

新会社法では、公開会社でない株式会社においては、株式ではなく株主自身に着目して「種類株式」を規定しようとしています。すなわち、①剰余金の配当を受ける権利、②残余財産の分配を受ける権利、③株主総会において議決権を行使する権利、について株主ごとに取扱をことにすることができることにしました。
公開会社でない株式会社とは、その発行する株式の全部が譲渡制限株式である会社のことですから、通常は、株式の流動性に欠けており、その分、株主同士の関係が緊密なものとなっています。現行の有限会社法においても、社員ごとに異なる取扱が認められると解されていますので、公開会社でない株式会社の株主間においても、異なる取扱を認めることとしたのです(法109条2項)。
この扱いを認めたとしても、公開会社でない株式会社のような閉鎖的会社にあっては、別段の不都合はないものと判断されたのです。
以上のごとき取扱をした場合には、各株主が有する株式自体は種類株式には該当しませんが、実質においては種類株式と異なるところはありません。
そこで、新会社法は、このような場合、各株主の有する株式を種類株式とみなして、会社法二編および五編の規定を適用することとしました(同条3項)。(Y.I)
2006/02/20 03:45|商業TB:0CM:0
株主平等の原則(その一)

株主平等の原則は、株式会社においての基本的な原則の一つとされていますが、現行法には、明文の規定はありません。
ところで、新会社法にあっては、同一の種類の株式を有する株主について株主ごとに異なる取扱が許されていますし、また、そこで定める種類株式の内容が多様化しています。
形式的にみれば、株主平等の原則に抵触するおそれのある、これら制度が設けられた上、その権利内容や運用の仕方によっては、実質的に株主平等が害される場合も想定されます。
そこで、新会社法は、株主平等についての明文の規定を設けました(会社法109条1項)。
具体的には、①株式の内容および数ごとに平等に取り扱うこと、②異なる内容の種類株式については、異なった取扱ができることを明確化したのです。
そして、同内容の株式については株式数に応じて平等に取り扱うべきことを明らかにしています。(Y.I)
2006/02/19 09:22|商業TB:0CM:0
種類株式

株式会社の発行する株式について、普通株式だけではなく、他の種類の株式も発行することを種類株式といいます。具体的には、利益・利息の配当、残余財産の分配、株式の買受け、利益による株式の消却、議決権の行使できる事項等、他の株式とは異なる権利内容を持つ株式のことです。
本来、株主は、保有する株数に応じて、原則的には、同一の権利を所有していますが、平成14年4月に施行された商法改正によって、例外として、株式会社は、一定の条件により、権利内容の異なる株式を発行することが認められました。ところで、新会社法においては、その108条2項で、種類株式として次の9つの類型を定めています。

(1)剰余金の配当
(2)残余財産の分配
(3)議決権制限株式
(4)譲渡制限株式
(5)取得請求権付株式
(6)取得条項付株式
(7)全部取得条項付種類株式
(8)拒否権付種類株式
(9)取締役・監査役選任権付株式

では、その内容について簡単に検討しておきましょう。
 
《1》剰余金の配当
 《2》残余財産の分配
《1》の剰余金の配当と、《2の残余財産の分配請求権の両方について権利を有さない株式は発行できません(会社法105条)。しかし、どちらか一方が存在しない株式なら発行が可能となります。
 《3》株主総会において議決権を行使することができる事項
 《4》譲渡について会社の承認を要する株式
《3》は、議決権を行使できる事項について特別の定めがある種類株式のことです。
《4》は、譲渡制限株式のことですが、これが種類株式としても認められることになりました。つまり、自由に譲渡が行える株式を原則としつつ、一部の株式についてのみ、譲渡制限を設けることを可能にしたわけです。
 《5》株主が会社に対して買い取りを請求することができる株式
 《6》会社が一定の事由が生じたことを条件として買い取りを申し出ることができる株式
 《7》 会社が株主総会の決議によってその全部を取得することができる株式
 《5》は、株主が会社に対し株式の買い取りを請求し、その見返りに金銭の支払いを受け、あるいは社債の交付を受けることなどを可能にした株式です。《6》と《7》は、逆に、会社から株主に対し株式の売り渡しを請求し、対価として、金銭、あるいは社債などを交付することができる株式です。支払うべき金銭額などは、予め、確定額として定めておくことも、また、計算方法を定めておくことも可能です。
 《8》株主総会において決議すべき事項のうち、株主総会での決議のほかに、その種類株主総会の決議があることを必要とする株式
 《8》は、いわゆる黄金株といわれる株式で、株主総会の決議事項について拒否権を持つ株式です。現行商法でも発行が可能です。
 《9》種類株主総会において取締役又は監査役を選任するとの権限を持つ株式
 譲渡制限株式のみを発行する会社に限りますが、《9》のような株式を発行することも可能です。つまり、《8》のような拒否権ではなく、取締役の選任等について、積極的で独占的な決定権を持つ株式ということです。当該種類株主総会において取締役又は監査役を選任する権限を持つ株式のことです。(Y.I)
2006/02/19 05:34|商業TB:0CM:0
新株発行無効の訴え

(1)提訴期間
現行法では、株式会社における新株発行無効の訴え及び有限会社における資本増加無効の訴えの提訴期間は、株式会社にあっては新株発行の日から、有限会社にあっては本店所在地において資本増加による変更の登記をなした日から、それぞれ6か月以内となっています。しかし、譲渡制限株式会社において新株が発行された場合には、具体的な発行事項の公告・通知は省略されます。そのため、株主が新株発行を知る機会は、事実上、株主総会開催時に限定されます。このような実情を踏まえて、訴えの提訴期間が短かすぎるという指摘がなされていました。
そこで、新会社法では、株式譲渡制限会社における新株発行無効の訴えの提訴期間が、6か月から1年に延長されました(会社法828条1項2号)。
ただし、公開会社においては、現行法と同様に、6か月となっています。

(2)口頭弁論の開始
 現行法上、新株発行無効の訴えの提訴期間中は、口頭弁論を開始することはできないものとされています。
しかし、原告の訴えについて口頭弁論が開始され、仮令、原告側が敗訴したとしても,その効果が他の原告適格者に及ぶわけではありません。
そこで、新会社法においては、このような規制を廃止することにしました。
なお、会社法に規定される新株発行無効の訴え以外の無効の訴えについても、同様に取り扱われます。

(3)新株発行無効判決の効力
現行法では、現物出資に際して、新株を発行した場合の新株発行無効判決の効果について、明文の規定がなされていませんでした。
そこで、新会社法においては、新株発行の訴えに係る認容判決が確定したときは、株式会社は現物出資者に対して交付された株式の株主に対して、現物出資の目的たる財産の価額に相当する金銭を支払わなければならないものとしました(会社法840条1項)。

(4)新株発行不存在確認の訴え
 新会社法においては、新たに、新株発行不存在確認の訴えが明文化されました(会社法829条)。
現行法上では、明文上認められていませんでしたが、学説・判例ともに認めていた、この訴えを明文化したわけです。また、新会社法では、新たに、自己株式の処分、新株予約権、新株予約権付社債等の発行無効・不存在確認の訴えについても、規定を設けました。(Y.I)
2006/02/16 15:16|商業TB:0CM:0
端株制度と単元株制度

(1)端株制度の廃止
新会社法においては、端株制度と単元株制度は一本化され、端株制度が廃止されました。もともと両制度は、一定の規模に満たない出資について管理を行う会社のコスト削減のために設けられたという共通点があるため、今回改正の目的の一つである商法の簡素化という趣旨に照らして、整理をおこなったのです。
なお、端株制度を採用している会社に負担がかからないように、経過措置が設けられています。

(2)単元未満株主の権利
 単元未満株式を有する株主は、その単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することはできません(会社法189条1項)。
 この規定は、現行法と同様です。

(3)一単元の株式数の設定方法
現行法上では、一単元の株式の数を増加させるには、株主総会の定款変更決議が必要でした。しかし、株式の分割と同時に単元株式数を増加するような場合には、当該分割の前後で株主が所有する単元の数に大きな変動がないので、株主の実質的な地位に変動はありません。そこで、新会社法は、株式分割の場合と同様に、定款変更を株主総会の決議によらないでできるように定めました。
  株式会社は、次のいずれにも該当する場合、株主総会の決議がなくても、単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることかできます(会社法191条)。
①株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける場合。
②1)に掲げる数が2)に掲げる数を下回るのではないこと。
1)定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数
2)定款の変更前において、各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、「当該株式の数を単元株式数で除して得た数」)。

注1、端株制度とは、1株に満たない株式に関する制度のことです。
注2、単元株制度とは、1株以上だが一定数に満たない株式に関する制度のことです。
2006/02/16 13:02|商業TB:0CM:0
設立後の現物出資

(1)株式会社に対する金銭債権の現物出資(債務の株式化)
株式会社に対する金銭債権の現物出資は、当該債権の評価の適正性が最も問題になります。しかし、履行期が到来している金銭債権であれば、弁済すべき金額は確定しています。
そこで、新会社法は、株式会社に対する金銭債権のうち履行期が到来しているものを当該債権額以下で現物出資をする場合には、検査役の調査を不要としました(会社法207条9項5号)。
これは、いわゆる債務の株式化といわれるもので、債務超過に陥っている会社に対して、債権を現物出資して、その会社の株式に替え、会社のバランスシートを調整していく方法です。デット・エクイティ・スワップといいます。
これに伴って、株主の払い込みについての相殺を禁止する規定も整理され、金銭等で払い込むべきものと定められている場合における引受人からの相殺は禁止する旨の規定に改められました。具体的には、募集株式の引受人は、募集株式の払込金額の払込や募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産の給付をする債務と、株式会社に対する債権とを相殺することはできません(会社法208条3項)。
なお、債権の存在を証する書面は、登記の添付書面とするものとされました。

(2)現物出資等に関する関係者の責任等(設立後填補責任)
現行法上では、現物出資に対する財産価格填補責任については、株式会社の発起人・取締役に無過失責任が課されています。
しかし、現物出資の対価として新株を発行する場合には、当該出資財産の実質的価値が零でない限り、直ちに債権者を害するおそれはありません。
そこで、新会社法では、株式会社の成立後の現物出資の対価として新株を発行する場合においての取締役は、財産価値の調査に関して過失がないことを証明すれば填補責任を負わないこととしました。これは、会社設立時における現物出資の際の、取締役等の現物出資財産の填補責任が、過失責任となったこととの整合性を図った措置です。
また、出資財産の実勢価格が取締役会で定められた価額を大幅に下回る場合には、当該現物出資者はその差額を支払うべき填補責任を負いますが、その大幅に下回るという点について出資者が善意であった場合には、当該出資者に填補責任を負わすのは酷だといえます。そこで、新会社法は、株式会社の成立後の新株発行において、株式会社との間に利害関係のない者が過失なく現物出資をし、事後的に責任を問われる場合について、当該現物出資者に出資の取消権を認めることとしました(会社法212条2項)。

(3)自己株式の処分等に際しての現物出資
新会社法では、新たに自己株式の処分に際して、金銭以外の財産が給付される場合において、新株の発行と同様な取扱いをするものとしました。また、新株予約権の行使に際しての金銭以外の財産の給付についても同様に取り扱うものとしました。(Y.I)
2006/02/16 07:11|商業TB:0CM:0
株主割当

(1)新株引受権の譲渡
新株引受権は、他人に譲渡することができますが、現行法上では、その際には新株引受権証書の交付を要します。また、新株予約権の譲渡の際にも、新株予約権証書の交付を必要としています。
新会社法では、商法の規定の簡素化という目的のため、これらの規定を新株予約権・新株予約権証書に関する制度に吸収することとしました(会社法254条、255条)。
なお、新会社法では、株主に対して無償で新株予約権を発行する制度が新設されました(同法277条)。

(2)株主割当の手続
現行法上、株主割当の場合、一株ら満たない部分及び申込期日までに引受権者から申込みがなされなかった部分については、公示・通知の手続を経ずに、新株を発行することができました。
新会社法では、株式会社自身に新株引受権を認めず、かつ、一株に満たない部分及び申込期日までに申込みがされなかった部分についての再募集は認めないものとしました。
このような措置が採られたのは、株主に平等に割当てるべきであるとする規制を潜脱し、慣行上、特定の株主に有利な条件で株式を割当てるといった弊害が生じていたからです。

(3)取締役の判断による株主割当
新会社法では、株式譲渡制限会社における株主割当については、定款に定めがある場合は、株主総会の決議を経ずに、取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)が新株発行に関する事項を決定することができるものとしました。
これは、株主割当により増資を行う場合には、株主の持分割合の維持に関しては一定の保護があるところから、取締役の判断による増資を認めても大きな弊害は認められないからの措置です。
なお、会社が自己株式を処分する場合の手続も、新株発行の手続と同様になります。(Y.I)

注・新株引受権とは、会社が新株を発行するときに、その会社の株主が優先的に新株を引き受けることのできる権利のことです。
2006/02/15 03:51|商業TB:0CM:0
法務省は、会社設立の申請の際、具体的な事業内容の審査を省略する方針を固めました。
 これは手続きの迅速化を図るためで、近く全国の法務局に対して、会社登記の審査では「会社の目的の具体性を問わないものとする」との通達を出す予定です。
 会社設立の簡素化を目指して昨年6月に成立した会社法の本年5月施行に伴い、類似商号の規定が廃止されるため、事業内容に関しては「商業」などと記載しただけでも認めることとしました。
2006/02/14 08:33|法律情報TB:0CM:0
新株発行手続の改正

①第三者に対する発行手続
現行法上、株式譲渡制限会社においては、新株を株主割当以外の方法で発行する場合には、株主総会の特別決議が必要だとされています。
しかし、元来、譲渡制限株式会社の株式価値の把握は困難であり、したがって有利発行の判断にも困難が生じます。ところが、第三者に対する発行に際しては、株主総会の決議を要するのですから、その決議に添えて、価格に関する事項も決議することとした方が、合理的であり、株主の保護の面からも厚い措置だといえます。
そこで、新会社法は、譲渡制限株式会社における第三者に対する発行決議においては、株式の種類及び数に加えて、株式の発行価額の下限をも定めるものとし、現行の有利発行手続と、その手続を一体化するものとしました。

②払込期間
 現行法上では、新株発行等については、「払込期日」が定められています。
新会社法では、新たに「払込期間」を定めることができるものとされました。
当該払込期間内に払込をした場合には、その「払込の日から株主になる」ことができます。

③新株割当者の決定
新会社法では、株式譲渡制限会社における新株割当者の決定は、新株割当申込後、割当時に、株式の譲渡承認をすべき機関において行うことができるものとしました。
自己株式の処分についても、同様な措置が講ぜられています。(Y.I)
2006/02/14 05:23|商業TB:0CM:0
株式等の引受人に対する情報開示の合理化

(1)株式等の引受人に対する情報の開示
現行法では、株式引受けの申込みは、原則として株式申込証によって行うことになっています。
新会社法では、このような手続を簡素化する目的から、株式引受人(新株予約権、社債、新株予約権付社債を含む。)の引受人に対する株式会社及び発行条項に関する情報の開示について、次のような措置を講ずるものとし、「株式申込証の用紙の交付という制度は廃止」されました。
①株主割当の場合には、引受権を有する株式の内容等に関して株主に通知しなければなりません。
②株式会社が割当者を定め、当該割当者が発行しようとする株式の総数を引き受ける場合には、法律上特別の開示制度は設けられないものとします。
③株式会社が割当者を定めずに引受人を募集する場合であって、証券取引法の規定により目論見書等が交付されないときは、株式を引き受けようとする者に対し、株式会社及び発行条項に関する情報を通知しなければなりません。

(2)新株発行の際の公告・通知
現行法上、新株発行の際には、一定の事項について公告・通知を行うこととされています。
これは、新株発行が法令・定款に違反する場合または不公正な方法による場合に、株主が発行差し止め等の措置を採るための判断資料を開示しているのです。
新会社法では、新株発行等に際して、証券取引法に基づく届出書等において会社法の規定により公告等をすべき事項が払込期日の2週間前までに開示されている場合には、会社法の規定による公告等を不要としています。これは、証券取引法の規定により、株主の権利がすでに担保されているという理由からです。(Y.I)
2006/02/13 00:10|商業TB:0CM:0
建物への落書きは「建造物損壊」という最高裁の初めての判断が示されました。
公園のトイレにペンキで「戦争反対」などと落書きしたとして、建造物損壊の罪に問われた東京都杉並区の書店員K(27)に対し、最高裁第3小法廷(浜田邦夫裁判長)は、上告を棄却する決定をしました。。
決定は1月17日付。懲役1年2月、執行猶予3年とした1、2審判決が確定します。この決定は、建物への落書きに建造物損壊罪が成立するとした最高裁の初判断で、同小法廷は「建物の外観や美観を著しく汚損し、原状回復に困難を生じさせたのは、損壊に当たる」と述べました。
 これまでは、落書きについては明確な司法判断がなく、拘留(30日未満)と科料(1万円未満)の罰則しかない軽犯罪法違反を適用することが多かったのですが。今後は、5年以下の懲役が科される建造物損壊罪を適用しやすくなり、商店街のシャッターなどへの落書を抑える効果が期待できそうです。
2006/02/12 03:31|法律情報TB:0CM:0
自己株式の内容・消却

①自己株式の自益権の内容
現行法上、自己株式については、自益権のうち、利益配当、中間配当、利息の配当が認められない旨は明文で規定されています。しかし、新株引受権、新株予約権の引受権その他の自益権が認められるかどうかについては、解釈に委ねられていました。
例えば、新株引受権については、会社自体に対して新株を発行することになる株式の割り当てを、新株発行会社自体に認めるのは合理的ではない、という解釈がされていました。
そこで、新会社法においては、株主がその新株を発行する会社自体であれば、株式の割り当てを受けられない旨を明文化しました(会社法202条2項)。
また、残余財産分配請求権については、現行法上の解釈では、解散会社自体に残余財産を分配するのは非合理的であるので、当然に認められないものとされていました。
新会社法においては、この解釈を明文化しました(同法504条3項)。
さらに、合併等の場合における株式の割り当てを受ける権利についても、現行法上の解釈では、合併の場合における自己株式の残余財産請求権の禁止や株式の分割の場合での配当請求権の禁止の趣旨に反するため認められないとするものでした。
新会社法においては、これも明文化されました(同法749条1項3号)。

②自己株式の消却
定款の定めによる株式の有償消却と自己株式の買受とは,実体的には、同一であるから、この両者を区別する実益はありません。
そこで、新会社法は、株式の消却については、自己株式の消却という制度に一本化して整理することにしました。したがって、自己株式以外の株式を消却するには、株式会社が当該株式を取得した上で消却するものとしています。(Y.I)
2006/02/12 00:52|商業TB:0CM:0
(1)自己株式の有償取得手続
現行法では、市場取引・公開買付以外の方法で自己株式を有償取得する場合には、定時総会において、「買受ける株式の種類、総数及び取得対価の総額、売渡人」について特別決議し、株主は会社に対し自己を売渡人として追加するよう請求することができます。
しかし、ストックオプションや株式交換等の機会が増え、その準備のために会社が自己株式を取得することが多くなり、その結果、わざわざ定時総会での決議を待たねばならない不便さが際立ってきました。その結果、要件の緩和を求める指摘がなされていました。
そこで、新会社法では、株式会社が株主との合意によって自己株式の取得する際の要件の緩和を図っています。
すなわち、会社はあらかじめ株主総会の普通決議で、
①取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
②株式を取得するのと引き換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。)の内容及びその総額
③株式を取得することができる期間
を定めておけば、定時総会での特別決議を得ることなく、株主との合意によって、自己株式を有償取得することができるようになりました。
 なお、株式会社が、その子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合には、取得の決定機関は、取締役会設置会社であれば、取締役会となります。

(2)取得価格等の決定
株式会社が、総会の決定にしたがって自己株式を取得しようとするときは、その都度、①取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)、②株式1株を取得するのと引き換えに交付する金銭等の内容及び数もしくは額又はこれらの算定方法、③株式を取得するのと引き換えに交付する金銭等の総額、④株式譲渡の申込み期日等の事項、を定めなければなりません。
なお、この決定は、取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議が必要です。

(3)株主に対する通知
株式会社は株主に対し、会社法第157条第1項各号に掲げる事項(取得する株式の数等)を通知しなければなりません。ただし、公開会社にあっては、この通知は公告をもって代えることができます。

(4)特定の株主からの取得
現行上では、特定の株主から自己株式を買い受ける場合は、他の株主との平等という観点から、原則として、その他の株主に売主追加請求が認められています。
しかし、一定の場合には、会社が特定の株主のみから自己株式を買い受ける必要があります。そこで、新会社法は、次の場合には、会社が特定の株主のみから自己株式を買い受けることができることとしました。
①合併、分割及び営業全部の譲受けの場合において相手方の保有する自己株式を取得する場合(取得する自己株式の種類及び数を開示する場合に限る。)
②譲渡制限株式会社における相続または合併の場合(譲渡人を除いた株主による株主総会の特別決議により取得を承認する場合に限る。)
③市場価格のある株式を市場価格以下で市場取引以外の方法で特定の者から取得する場合(特定の者の氏名、取得する株式の種類及び数につき、譲渡人を除いた株主による株主総会の特別決議を得る場合に限る。)
④定款をもって自己株式の有償取得の方法に関して異なる内容を定めた種類株式を当該定款で定める方法で取得する場合

なお、原案では、定款に定めがある場合には、自己株式を、株式買取請求等により取得した数を限度にして、市場取引により売却することができる旨の規定(会社法第179条)が置かれていましたが、衆議院においてインサイダー取引や株価操作の危険があるとの理由で修正され、当該規定は削除されました。したがって、市場取引において自己株式を売却することは引き続き禁止されることとなりました。(Y.I)
2006/02/11 03:13|商業TB:0CM:0
譲渡制限株式の取得手続

現行法では、譲渡制限株式を取得した者は、会社に対して、その株式の種類及び数を記載した書面により、譲渡を承認しない場合には、その株式を買い受けうけるべき者を指定すべきである旨を請求できることになっています。
新会社法は、この手続を簡略化しています。
すなわち、譲渡制限株式取得者からの会社に対する承認請求手続は、名義書換請求のために要求される手続と同様なものとして簡略化を図っています。
ただし、承認なく株式を取得した者からの名義書換請求については、会社はその取得を承認せず、名義書換を拒むことができるものとしています。
一方、承認を拒否された取得者は、現行法と同様に、会社に対し、買受人の指定を請求することができます。(Y.I)
2006/02/10 17:24|商業TB:0CM:0

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