我孫子総合事務所・相続・遺言・債務問題

相続手続き・遺言書作成代行から債務問題の解決まで

プロフィール

我孫子総合事務所(AIO)

Author:我孫子総合事務所(AIO)
災害で犠牲になられた皆様に衷心より哀悼の意を表し、そのご冥福をお祈り申し上げます。

また、被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。

そして、一日も早い復興を切にお祈り申し上げます。

What is a Nintei-Shiho-Shoshi Lawyer? 

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on. The summary courts have the original jurisdiction over civil cases ,involving claims for amounts not exceeding 1,400,000 yen.
There are 438 summary courts in Japan.


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相続税の改正

基礎控除の縮小

2015年以後の相続税の基礎控除の算出方法

2014年12月まで 5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)=基礎控除額

2015年1月以降 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=基礎控除額




グレーゾーン金利とは

利息制限法という法律があります。
これは、お金を貸した場合の利息について定めた法律です。
この法律によれは、最高年20%を超える利息は、「超えた部分について無効」としています。
ところが、実際には消費者金融の貸付や信販会社のキャッシングの多くは、年20%以上29.2%以下の利率をとっています。
これは、これらの貸金業者については、「出資法」という法律があり、年29.2%を超える利率による貸付は罰せられるからです。
この「利息制限法」による金利と、「出資法」による金利との差の部分が、「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。
つまり、黒でも白でもない微妙な部分というわけです。
ところが、最近の裁判では、この「グレーゾーン金利」の部分は無効であるという判決が多く出されています。
これによって、貸金業者からお金を借りた人が、支払ってきた金利のうち、「利息制限法」を超える利息は無効とされることとなりました。
つまり、「グレーゾーン金利」は、はっきりと「ブラックゾーン金利」となったわけです。
したがって、既に支払った無効な部分は、元金の支払に充てられるべきだとされたのです。
そのため、過去の取引を「利息制限法」の利率で計算しなおす必要が生じました。
この計算のことを「引き直し計算」といいます。
この「引き直し計算」をすると、多くの場合は元金が減り、場合によっては元金すら払い過ぎていることがあります。
この払い過ぎたお金のことを、「過払い金」と呼んでいます。


不動産登記規則の一部が改正されます。

今般、不動産登記の申請情報およびその添付情報等の保存期間を延長するための整備を行うとともに、商業・法人登記事務の集中化の実施にともなう整備のために規則の改正が行われます。

概要は次のとおりです。
① 不動産登記規則第28条に定める情報の保存期間について、不動産登記の申請情報及びその添付情報等の一部の情報の保存期間を30年に延長する。
② 規則第36条の資格証明情報の省略等の取扱いにつき、商業・法人事務の集中化の実施後において、集中化により商業・法人事務を取り扱わないこととされる登記所が不動産登記の申請を受けた場合であっても、従前と同じ扱いをすることができるようにする。
③ 平成20年7月下旬、公布・施行の予定。



不動産登記令の一部改正(半ライン方式)
添付情報別送方式・特例方式

オンライン申請を可能にする新不動産登記法が施行されてから二年が過ぎました。
しかし、その活用はきわめて低調です。
その原因は、オンライン申請に必要となる公的個人認証(住民基本台帳カード)が全くといっていいほど普及していないことと、登記の添付情報とされている公的機関の証明(戸籍謄本、各種許可書、裁判書等)の電子化が進んでいないことにあります。
このような状況が改善されなければ、不動産登記のオンライン申請件数の増加期待することは困難です。
そこで、このような状況が一定程度解消されるまでの間、オンライン申請の際の添付情報の全部又は一部を書面で送付すること(別送)が許容されることとなりました。

内容
① オンライン申請をする場合に、添付情報が書面に記載されているときは、当分の間、その書面を登記所に提出する方法により添付情報を提供することができるものとします。
  添付情報が書面に記載されている場合としては、例えば、委任状(実印を押印し、印鑑証明書を添付する)を作成した場合や、売買契約書を作成して売買した場合などが想定されます。
② 添付情報を別送する場合には、申請情報(及び添付情報の一部)がオンラインで送信されることが必要ですが、その送信後の取り扱いの明確化を図るため、その旨が申請情報に盛り込まれることとなります。
③ 別送を認めることにより、オンライン申請の場合にも添付情報の一部が書面で提出されることとなるのに伴い、書面申請に関する規定のうち、必要な規定については、準用することとなりました。
イ) 第17条、公務員が作成した代表者の資格証明書等については作成から3か月以内のものを使用するとなどを定めた規定
ロ) 第18条、委任による代理人(復代理人を含む)の権限を証する情報を記載した委任状には、本人等の記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を貼付しなければならないことなどを定めた規定
ハ) 第19条、承諾書面・同意書面が必要になる場合には、作成者が記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を添付しなければならないことを定めた規定
④ 特に、権利の登記については、登記原因が備わっていないにもかかわらず、順位の確保を図ることを目的として、オンライン申請を行うおそれがあることから、登記原因を証する情報を記載した書面を提出する場合には、あらかじめ、その書面に記載された情報を記録した電磁的記録を提供しなければならないものとされています。
この電磁的記録とは、具体的には、書面をスキャナーで読み取って作成したPDFファイルのことです。
なお、この電磁的記録の送信は、添付情報の原本となる書面の写しをあらかじめ送付させるのと同様な意味合いですから、その作成者が誰であるかは必ずしも重要とはいえません。
そこで、登記令第12条第2項の適用除外を設け、作成者は電子署名を行うこと要しないものとされました。
⑤ 施行日
平成20年1月15日


各位
                       平成19年11月吉日
              
司法書士法人 我孫子総合事務所

晩秋の候、貴社におかせられましても、ますますご清栄のことと存じます。
さて、明年度より下記のとおり「オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度」
が創設されましたので、取り急ぎお知らせいたします。
なお、本事務所におきましても、極力本制度を取り入れ、お客様の税負担軽減のお手伝いをいたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度の創設

平成20年1月1日から平成21年12月31日までの間に、電子情報処理組織を使用して次の登記の申請を行った場合には、その登記に係る登録免許税額から、その100分の10に相当する金額(上限が5000円)を控除することとされました。

(1) 不動産の所有権の保存若しくは移転登記又は抵当権の設定登記

(2) 次の法人の設立登記
① 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社
② 保険業法に規定する相互会社
③ 中間法人法に規定する中間法人
④ 資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社
⑤ 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人

なお、具体的には、不動産登記に関しては平成20年1月15日、商業法人登記に関しては平成20年1月4日からの施行となります。


控除額は登録免許税額の10%

上限は5000円

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合同会社(その二)

(1)定款の変更
現行法においても、合名会社においては、定款の変更に際しては社員全員の同意があることが求められています(商法72条)。
 新会社法においても、合同会社の場合には、会社成立後は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができるものとしています(会社法637条)。
これは、社員の個性が重視される、この会社の特徴にあわせての規制だといえます。

(2)社員の出資
合同会社の出資の目的は、金銭その他の財産のみに限られます(会社法576条1項6号)。
合同会社が、合名会社の社員や合資会社の無限責任社員のように信用や労務の出資を認めない理由は、合名・合資会社にあっては社員が直接無限連帯責任を負担するので、債権者にとって出資の内容はさほど重要ではないのに比べて、社員が債権者に対して間接有限責任しか負わない合同会社にあっては、出資は責任財産の拠出としての重大な意味を有しているからです。

(3)社員の氏名・住所
合名会社の社員や合資会社の無限責任社員は、会社債権者に対し、直接連帯責任を負担するため、社員の氏名または名称および住所(合資会社においては、社員の責任の区別および有限責任社員の出資の目的)が登記事項とされていますが、合同会社においては、債権者に対し間接有限責任しか負わないため、社員の氏名または名称および出資の価格は、株式会社の株主と同様にこれを登記事項とはしていません(会社法914条)。
(Y.I)
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2006/03/31 00:15|商業TB:0CM:0
日本人父が認知、非婚でも子に国籍認める。
 婚姻関係にない日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた後、父親に認知されたフィリピン国籍の子ども9人が、国に日本国籍の確認を求めた集団訴訟の判決が29日、東京地裁であった。
 菅野博之裁判長は「父が日本国民なのに、父母が結婚していないと国籍が取得できないとした国籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と述べ、請求を認めた。
(中略)
 国籍法は、日本人の父と外国人の母の間に生まれた非嫡出子について、胎児の間に認知された場合のみ、日本国籍の取得を認め、同法3条は、生後認知の場合に父母の婚姻を必要としている。
 同条について国側は「日本人の父との結びつきを示す婚姻を条件としたことは合理的」と主張したが、判決は「家族の態様の多様化を考えれば、婚姻だけで我が国との結びつきを判断すべきではない」と指摘。同条について「父が日本人の非嫡出子に深刻な不利益をもたらし、違憲」とした。
(ヤフーニュース・読売新聞) - 3月29日23時19分更新
今時、届出婚に拘るばかりが能ではありません。合理的な判決だと思います。さて、高裁・最高裁まで行けばどうなるか。楽しみです。
2006/03/30 20:54|法律情報TB:0CM:0
合同会社(その一)

(1)合同会社とは
新会社法によって新設された合同会社においては、出資者の全員が有限責任社員であり、原則として、社員全員の一致で定款の変更その他の会社のあり方が決定されます。
各社員は会社の業務執行に当たり、その内部規律の有様は、民法上の組合に似ています。
しかし、合同会社と株式会社はいずれもその社員が有限責任社員であることが共通しています。したがって、配当規制や債権者保護手続に関しては、ほぼ同様な規定が置かれています。
ところが、株式会社が会社の内部の規律に関して多くの強行規定性を有するのに比較して、合同会社の方は、機関設計や社員の権利内容等については、広く定款自治に委ねられ、契約自由の原則が貫かれています。
また、持分の譲渡に関しては、株式会社においては、譲渡の自由の原則がみとめられていますが、合同会社においては、持分の譲渡は原則として他の社員全員の同意が必要とされています(会社法585条)。これは合同会社においては、社員間の人的つながりが強固であり、社員の個性が重視されるためです。

(2)合同会社とLLP
両者はいずれも、その社員または組合員は有限責任とされ、内部関係についても組合的な規律が適用されます。
しかし、合同会社は法人格を有するのに対し、LLPは法人格を有していません。
また、LLPの全ての組合員は何らかの形で義用務執行に関連しますが、合同会社にあっては、必ずしも全社員が、業務執行を担当する必要はありません。
さらに、合同会社にあっては、たとえ社員が一人になっても会社は存続しますが、LLPは、構成員が一人では存続することができません。
合同会社においては、株式会社への組織変更または株式会社から合同会社への組織変更は可能ですが、LLPは株式会社等の間での組織変更は認められていません。
(Y.I)
2006/03/30 01:11|商業TB:0CM:0
合名会社・合資会社の見直し

新会社法は、、株式会社を除く、合名会社、合資会社及び合同会社の総称として「持分会社」なる用語を用いています。
ところで、現行法では、合名会社の社員が1人になった場合には、当然に解散する者とされています(商法94条4号)。
しかし、新会社法においては、会社の継続を容易にするため、社員が1人になっても解散しないことにしました(会社法641条1項)。
この理由は、株式会社においては、一人会社が認められているが、株式の譲渡という一人株主の意思によって、社員が複数になり得ることから社団性を失ってはいないとされていることから、持分会社においては、社員の個性が重視されているとしても、社員の加入や持分の譲渡により、社員が複数になり得ること、そしてこれらが一人社員の意思によって実現できる点については株式会社と何ら変わるところがありません。
したがって、一人会社を認めても、直ちに社団性に反するとはいえませんし、これを認めない合理的な理由も存在しないことから、新会社法は、これを認めることとしたのです。
また、新会社法は、現行法の法人が合名会社や合資会社の無限責任社員になることを禁止する規定(商法55条)を廃止し、法人もこれらの者になることを認めました(会社法576条1項4号、598条)。
現行法におけるこの規制は、合名会社・合資会社は人的信用を基礎とするものであること等の理由によるものです。しかし、法人も信用を供与する行為を行うことができるものであり、合理的な理由に基づいた規定とはいえません。
そこで、新会社法は、法人が合名会社等の社員になることを認め、そのために他の社員や会社債権者の不当に害されることがないように、その職務執行者の指定や責任についての規定を整えることとしました。(Y.I)
2006/03/29 03:50|商業TB:0CM:0
特別清算(その五)

監督委員制度


(1)清算人の解任
現行法上では、特別清算開始後の清算人の選任および解任は、裁判所の専権事項であり、株主総会はその権限を失い、少数株主の解任請求権も失われると解されていました。
しかし、新会社法においては、清算人の解任については、株主や債権者の申立てによってを裁判所へ請求できることになりました(会社法542条1項)。

(2)監査委員
現行法上では、特別清算手続においては、清算人が会社財産の処分をする際には、監査委員の同意を得るか、監査委員がいない場合には、債権者集会の決議が必要とされていました(商法445条1項)。
しかし、実際上においては、①監査委員制度の利用は少なく、②監査委員の代わりに裁判所が自ら選任する検査役に監査委員の代わりをさせることも可能であるとの理由等で、新会社法においては、監査委員の制度は廃止されました。
新会社法は、その代替制度として、次のような制度を設けています。
①裁判所の許可制度
特別清算開始の命令があった場合に、清算株式会社が財産の処分や借財等を行うには、裁判所の許可が必要になります(会社法535条1項)。
② 監査委員
裁判所は、1人又は2人以上の監査委員を選任し、監査委員に対して、会社法535条1項の許可に代わる同意をする権限を与えることができます(会社法527条1項、535条1項)。(Y.I)
2006/03/28 00:15|商業TB:0CM:0
特別清算(その四)

債権者集会

(1)清算人による債権者集会の招集
現行法上では、特別清算において、清算人は会社の業務及び財産の状況の調査書等の提出及び清算の実行の方針等の意見陳述をするために、債権者集会を行う義務を有していました(商法443条)。
しかし、実務上では、清算人と債権者が個別的に和解を結ぶことによって清算手続きを進行させ、債権者集会を省略する例もみられました。
そこで、新会社法においては、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法により、清算株式会社の業務及び財産の調査の結果並びに財産目録等の要旨について、債権者へ報告をしたり、清算の実行の方針、見込みについての意見の内容を債権者の周知させた方が適当であると認めるなら、債権者集会を招集しなくてもよいこととなりました(会社法562条)。

(2)財産目録、貸借対照表の裁判所への提出
現行法では、通常、清算手続きにおいては、清算人は株主総会の承認を受けた財産目録、貸借対照表を裁判所へ提出する義務がありました(商法419条3項)。
しかし、新会社法においては、この義務は廃止されました。それにともなって、特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は株主総会の承認を受けた財産目録等を裁判所へ提出しなければならなくなりました(会社法521条)。
なお、財産目録等が電磁的記録で作成されていた場合には、その電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出することになります。
(Y.I)
2006/03/27 00:05|商業TB:0CM:0
消防法の改正により住宅用火災警報器

の設置が必要となりました。


 今回の法律改正により、戸建住宅や共同住宅(自動火災報知設備等が設置されているものを除く。)について、住宅用火災警報器等の設置が必要となります。新築住宅については平成18年6月1日から、既存住宅については市町村条例で定める日(平成20年~平成23年を目途)から住宅用火災警報器等の設置・維持が必要となります。設置維持省令によれば、寝室、寝室がある階の階段などに、住宅用火災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器を設置・維持しなければならないことになっています。
2006/03/26 18:09|法律情報TB:0CM:0
現行の主な法的倒産手続には、破産、民事再生、会社更生、特別清算および会社整理があります。このうち、特別清算と会社整理は商法が根拠法で、特に会社整理は、中小企業向きの会社再建手続でしたが、今回の会社法の制定に当たっては、特別清算を見直した上で、平成12年の民事再生法施行で事実上空文化された会社整理を廃止することとなりました。
この理由は、会社の整理の制度は、支払不能または債務超過のおそれ、またはこれらの疑いのある株式会社の再建のためのものですが、債権者全員の同意が必要とされており、再建反対の債権者が少しでも存在するときには、利用することができない等の不便さが指摘されていました。
また、上記のごとく、民事再生法による再生手続は、個人、法人ともに利用できる、多数決原理が導入された手続であり、会社整理について指摘されていた問題点をも克服していたため、民事再生法施行後は、会社整理制度は、その存在意義を失ったと判断されたからです。(Y.I)
2006/03/26 16:37|商業TB:0CM:0
特別清算(その三)

(1)裁判所による中止命令
現行法上、特別清算開始前の裁判所による中止命令は、会社の破産手続、企業担保権の実行手続に関してのみ認められていました(商法433条、483条)。
新会社法においては、裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合に、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役もしくは株主の申立てにより、特別清算の決定があるまでの間、次に掲げる手続の中止を命ずることができることとなりました(会社法512条)。
①清算株式会社についての破産手続
②清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押または仮処分の手続

(2)特別清算開始の条件
新会社法においては、現行法では明らかにされていなかった特別清算手続開始の条件が次のように明文化されました。
裁判所は、特別清算の申出があった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をしなければなりません(会社法514条)。
①特別清算の手続の費用の予納がないとき
②特別清算によっても清算が決了する見込みがないことが明らかであるとき
③特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき
④不当な目的で特別清算開始の申立てがなされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき

(3)相殺の制限
新会社法においては、破産手続における相殺の制限と同様な、次のような規定を新設しています。
①協定債権を有する債権者が行う相殺
協定債権を有する債権者が特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したような場合、債権者は自己の債権を自働債権として相殺することは許されていません(会社法517条1項)。
②清算株式会社に対して債務を負担する者が行う相殺
 清算株式会社に対して債務を負担する者が、特別清算開始後に他人の協定債権を取得したような場合、債務者はその取得した債権を自働債権として相殺することは許されていません(会社法518条)。
以上は、新破産法、会社更生法等との整合性を図って、特別清算手続きの迅速化・合理化を図ろうとする意図からの改正です。(Y.I)
2006/03/26 03:28|商業TB:0CM:0
特別清算(その二)

(1)協定の可決要件の緩和
現行法上の特別清算における協定の可決要件は、①債権者集会に出席した議決権を行使することのできる債権者の過半数の同意および②議決権を行使することのできる債権者の議決権の総額の4分の3以上に当たる議決権を有する者の同意、とされています(商法450条1項)。
しかし、このような可決要件に関しては、厳格すぎて、特別清算手続きが利用しにくいという声がありました。
そこで、新会社法においては、協定の②の要件について、議決権を行使することができる債権者の議決権の総額の3分の2以上に当たる議決権を有する者の同意があれば足りるものとして、可決要件の緩和を図りました(会社法567条1項2号)。

(2)役員の責任の免除の取消し
現行法下の特別清算においては、役員の責任の免除の取消しの処分という制度があります。これは、裁判所による特別清算処分の一つです。
しかし、この取扱については、決定手続限りで責任の免除の取消しという実体的な効果を生じさせることは、免除の取消しを受ける役員の手続保障が十分でないのではないかとの指摘がなされていました。
そこで、新会社法においては、詐害行為取消権および破産手続等における否認権の制度を参考にして、制度の性格を抜本的に改革しました。すなわち、会社は、特別清算開始の命令があった場合には、特別清算開始の申立てがあった後またはその前1年以内にした役員の責任の免除を取り消すことができるものとし、役員の責任の免除の取消権という会社の実体法上の権利としての法律構成を行いました(会社法544条)。
したがって、この制度の下では,役員は責任の免除の取消しの適否について訴訟手続をもって争うことができ、一方、会社は、役員の責任に基づく損害賠償請求訴訟の中などで責任の免除の取消権を行使することができることから、責任の免除の取消についての審理と損害賠償請求権の存否等に係る審理の一体化が図れることとなります。
この改正により、手続の合理化という見地から、責任の免除の取消しについての審理と損害賠償請求権の存否等に関する審理を同一の手続で行ことが必要である、との批判にも応えることができました。

(3)労働債権等の取扱
現行法においては、労働債権のように一般の先取特権その他の優先権がある債権も、協定による権利変更の対象とされていました。そして、一般の先取特権その他の一般の優先権は協定を定めるについて、これを斟酌するものとされていました(商法448条2項)。
しかし、新会社法においては、協定の議決権要件を緩和したことから、現行の特別清算以上に、労働債権その他の一般の優先権を有する債権が不利益を蒙ることのないように配慮する必要があります。そこで、新会社法においては、労働債権のように一般の先取特権その他の一般の優先権のある債権について、これを協定の対象外とし(会社法537条1項)、清算株式会社から随時その全額の弁済を受けられるものとしました。(Y.I)
2006/03/25 16:36|商業TB:0CM:0
特別清算(その一)

(1)特別清算開始の申立て
現行法上では、清算の遂行に著しい支障をきたす事情があると認められるとき、または会社に債務超過の疑いがありと認められるときは、裁判所は債権者、清算人、監査役もしくは株主の申立てまたは職権によって、会社に対して特別清算の開始を命じることができます(商法431条)。
新会社法においては、裁判所の職権による特別清算の開始命令は削除されました(会社法510条)。
その理由は、特別清算に関しては利害関係人による申立てが広く認められているので、利害関係人が特別清算を申し立てていないのにかかわらず、裁判所が職権で特別清算の開始命令を出すというケースは考えにくい上、今回の改正においては、清算手続きにおいて裁判所の関与をできるだけ少なくしたこととの平仄を合わせる必要があったためです。

(2)特別清算申立ての取下げ
現行法では、特別清算開始の申立て取下げに関する規定はありません。
新会社法においては、特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、申立てを取り下げることができるのとされました(会社法513条前段)。
なお、裁判所による手続中止命令、清算会社の財産に関する保全処分、清算会社による株主名簿の記載等の禁止処分がされてしまった場合には、裁判所の許可を得ないと取下げをすることはできません(同条後段)。

(3):役員等の財産に対する保全処分
新会社法においては、裁判所は、特別清算開始の申立てがあったときから申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立て又は職権で、役員等の財産に対する保全処分をすることができます(会社法542条2項)。
現行法においても、同様な規定は存在しますが(商法432条)、「緊急の必要があると認めるとき」という要件は課されていませんでした。
新会社法においては、保全処分の対象が、本来の清算会社の財産とは異なる役員等の財産であるため、その要件を厳しくしたわけです。

(4)特別清算事件の管轄
現行の特別清算においては、特別清算事件は、株式会社の本店所在地の地方裁判所が管轄するものとされています。
しかし、特別清算は、子会社等の関連会社の清算に利用される例も見られるので、親会社等の事件との一体処理を可能とするための管轄の特例を設けるべきであるとの指摘もなされてきました。
そこで、新会社法においては、①株式会社の総株主の議決権の過半数を有する法人について特別清算事件、破産事件、再生事件または再生事件が係属している地方裁判所にもすることができるものとし(会社法879条1項)、また②株式会社が最終事業年度について第444条の規定により当該株式会社および他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件、破産事件、再生事件または再生事件が係属している地方裁判所にもすることができるのとしています(同法879条4項)。(Y.I)
2006/03/24 00:06|商業TB:0CM:0
配当等

(1)残余財産の現物分配
現行法においては、残余財産の現物分配については、株主側の換金化が困難であることから、総株主の同意がない限り、行えないものと解されています。
しかし、現実には残余財産の換金のため清算手続きに時間がかかる場合があり、むしろ株主側が換金化にコストを要するより現物による分配を希望する場合もあります。
そこで、新会社法においては、残余財産の現物分配を認めることにした上で、株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権を有するものとしました(会社法505条)。

(2)会社財産の株主に対する払戻し
現行法下では、清算中の株式会社において、残余財産の分配以外に株主に対する払戻しが認められるかどうかについての明確な規定はありませんでした。
しかし、これを許容すると債権者を害するおそれがあるため、新会社法においては、利益配当、自己株式の取得等による株主への金銭等の支払や組織再編行為による株式買取請求に応じることによる金銭等の支払を認めないこととしました(会社法509条1項)。
ただし、清算中の株式会社が、その自己株式を無償で取得することは認められています(同条2項)。無償による取得であれば債権者を害するおそれがないためです。

(3)清算結了登記後の資料の保存者
現行法においては、清算結了登記後の資料の保存者は、清算人その他の利害関係人の請求によって裁判所が選任することになっていました(商法429条)。
しかし、今回の改正においては、清算手続きへの裁判所の関与をなくそうという、という試みが行われました。そこで、新会社法は、この趣旨に沿って、清算結了後の重要な資料の保存については、原則として清算結了時の清算人がその義務を負うという制度を設けました。ただし、裁判所は、利害関係人の申立てがあれば、清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができます(会社法508条)。
(Y.I)
2006/03/23 00:01|商業TB:0CM:0
公告・債務の弁済

(1)公告
①債権申出公告
現行法上、債権申出公告は、2か月以上の期間を定めて3回以上行わなくてはならない、と定められています(商法421条1項)。
しかし、実務上では単に規制をクリアするために、連続して3回の公告がなされる例も見られ、取り立てて複数回の公告を義務付ける意味は大きくないとする指摘がなされていました。
そこで、新会社法においては、債権申出の公告は1回で足りるものものとして、手続の簡素化を図っています(会社法499条)。
②決算公告
現行法では、清算中の会社であっても、貸借対照表又はその要旨の公告が必要であるとされています(商法439条)。
しかし、清算中の会社は営業活動を行っていませんので、決算公告をして利害関係人に対して会社の財務情報をあえて公開する必要性は存在しないといえます。
そこで、新会社法においては、清算中の株式会社の決算公告制度を廃止することとなりました。

(2)債務の弁済
現行法には、清算の際に、清算会社が期限未到来の債務につき、中間利息を控除して弁済をすることができる旨の規定が設けられています(商法125条1項、2項、3項)。
本来、債務の期限前の弁済は、期限の利益を有している者の利益を害することとなるので許されないことになっています。しかし、清算手続においては、その効率性を重んじて期限前の弁済を認めていました。
ただし、無利息債権については、弁済時から弁済期までの間の法定利息を債権額から差し引いた額で弁済することが必要とし(商法430条1項、125条2項)、利息付債権にあっては、その利率が法定利率より低いものであった場合には、それらの差額分を差し引いて弁済する必要があるものとしていました(商法430条1項、125条3項)。
しかし、この規定は他の倒産手続と比べて、清算手続においてのみ期限前の弁済の際に弁済者の期限の利益を考慮するのは、整合性がないとの指摘がなされていました。
そこで、新会社法においては、上記の規定を削除することとしました。
従って、新法下では、清算会社は自己の債務を期限前に弁済するには、期限の利益を放棄する必要があります。
なお、現行商法においては、存在期間不確定債権等については、裁判所の選任した鑑定人の評価に従って弁済する(430条1項、125条4項)との規定がありますが、この制度は新法下でも維持されています(会社法501条)。(Y.I)
2006/03/22 14:28|商業TB:0CM:0
株式会社の清算手続

(1)裁判所の関与
現行法では、清算手続は基本的に裁判所の監督に服するものとし、解散事由、解散年月日、清算人の氏名・住所の裁判所への届出、財産目録および貸借対照表の提出が定められています(商法418条)。
しかし、このような裁判所の関与については、その必要性が乏しいとの指摘もなされ、新会社法においては、これらの裁判所の監督に服するものとする規定および清算人の氏名等の届出並びに財産目録および貸借対照表の裁判所への提出に関する規定を廃止しました(会社法475条)。

(2)清算株式会社の清算人会
現行法上、清算人の員数は1人以上いれば足りるとされていますが、株式会社の清算人については取締役の規定が準用されています(商法430条2項)ので、清算人が複数の場合には、清算人会の設置が必要になります。しかし、清算手続きの簡素化は各界からの要望であるので、新会社法においては、このような場合でも、清算人会を原則不要であるとしました(会社法489条)。そして、清算人会を設置するには清算人が3人以上必要であるとしました(会社法478条6項、331条4項)。

(3)清算株式会社の監査役
現行法上では、大会社が清算手続に移行した場合、商法特例法の監査役に関する規定が適用されると解されていました。
しかし、商法特例法上の大会社における監査役に関する規定は複雑であるため、清算手続の簡素化を求める実務界からの要望が出されていました。そこで、新会社法においては、清算手続における監査役制度の規定が次のように簡素化されました(会社法477条)。
①清算株式会社
定款の定めに従って清算人会、監査役又は監査役会を置くことができます。
②監査役会を置く旨の定めのある清算株式会社
清算人会を置かなければなりません。
③会社解散時において公開会社又は大会社であった清算株式会社
監査役を置かなければなりません。
④会社解散時において委員会設置会社であった清算株式会社
監査委員が、監査役になります。
(Y.I)
2006/03/21 20:36|商業TB:0CM:0
擬似外国会社

現行商法は、外国の法令に従って設立された会社であって、日本に本店を設け、または日本において営業を行うことを主たる目的とするもの(以下「擬似外国会社」という)は、日本法にしたがって設立された会社と同一の規定に従うことを要する、と規定しています(商法482条)。
本条の趣旨は、日本法の適用を回避するために故意に外国法に従って会社を設立しようと試みる脱法的行為を防止することにある、といわれています。
しかし、判例は、本条の「同一の規定」には、会社の設立に関する規定も含むものとして、擬似外国会社は日本の商法が定める会社設立の要件を備えていない限り、その成立は認められないとしていました(大審院決大正7.12.16民録9・24)。
したがって、この考え方に立てば、擬似外国会社が、日本法で定める手続に従って、再設立されない限り、法人格は認められないことになり、擬似外国会社が取引をした場合には、代表者が個人責任を負うこととなり、法的安定性の観点からは問題を残すことになります。
しかも、資産の流動化等の新しい金融手法に伴って、外国法に従ってされた会社を利用する社会的なニーズの高まっているにもかかわらず、商法482条の解釈が、その利用の障害になっているという指摘がありました。
そこで、新会社法においては、擬似外国会社は、日本において取引を継続して行うことができないものとし、これに違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うべき旨の規定を設けました(会社法821条)。したがって、本条は、擬似外国会社の意義を変更するものではなく、外国会社を利用した日本法の脱法行為を防止する目的を趣旨とすることには変わりはありません。
なお、本条2項は、日本国内の債権者等を害するのを防ぐのが立法趣旨だとされています。
また、本条は、国会において審議中から問題となった規定です。
なぜこの規定が問題視されるのかというと、外資系証券会社の多くが、もっぱら日本で事業を行っているのに、形式上だけケイマン諸島等に本店を設立した外国法人であり、これらの会社が、本条にいう疑似外国会社に該当するのではないかという疑いが残るからだとされています。
参議院では、本法の施行に当たり、本条は「既存の外国会社及び今後の我が国に対する外国会社を通じた投資に何ら悪影響を与えるものではないことについて、周知徹底を図ること」との旨の付帯決議を行っています。
(Y.I)

注・「疑似外国会社」とは、外国法に基づいて国外で設立したのに日本に本店を置く会社や、日本で主に業務を行う会社のことです。
2006/03/20 09:58|商業TB:0CM:0
外国会社の日本代表者

平成14年の商法改正以前は、外国会社の日本における代表者は、そのうちの1名が日本に住所を有していれば足りるものと解されていました。
ところが、同改正以降においては、外国会社の代表者については、日本に住所を有していない者は、日本における代表者とは認められない、と解されてきました。
これは、同改正において、外国会社の代表者の退任規定が新たに設けられた(商法483条ノ3)のに際して、通達の変更が行われたからです(平成14.12.27民商3239民事局長通達)。
しかし、合名会社、合資会社、有限会社、株式会社については、その代表者の1名が日本に住所を有していれば足りると解されていることとの整合性等から、従前の解釈に戻すべきだとの指摘がなされてきました。
そこで、新会社法においては、外国会社の日本における代表者について、そのうちの少なくとも1名が日本に住所有しなければならいが、その全てが日本に住所を有することを要しないものとしました(会社法817条1項)。(Y.I)
2006/03/20 04:45|商業TB:0CM:0

異なる種類の会社間で行えない組織再編行



新会社法おいては、次の7種類の組織再編が認められています。
① 組織変更(会社法2条26号)
② 吸収合併(同条27号)
③ 新設合併(同条28号)
④ 吸収分割(同条29号)
⑤ 新設分割(同条30号)
⑥ 株式交換(同条31号)
⑦ 株式移転(同条32号)

(1)組織変更
先ず、組織変更については、株式会社から持分会社、持分会社から株式会社への組織変更はいずれも認められています。

(2)合併
合併については、全ての種類の会社の間で認められています。

(3)吸収分割・新設分割
吸収分割・新設分割については、株式会社および合同会社が分割会社となれますが、合名会社および合資会社は、分割会社になることはできません(会社法757条、2条29号、762条1項、2条30号)。
なお、吸収分割・新設分割においての承継会社には、全ての種類の会社がなることができます。

(4)株式交換・株式移転
株式交換・株式移転については、合名会社および合資会社は、株式交換においての完全親会社となる会社になることはできません。
また、持分会社は、株式移転においての完全親会社となる新設会社となること派では着ません(会社法767条、2条31号、772条、2条32号)。(Y.I)
2006/03/19 16:42|商業TB:0CM:0
政府は、会社法を、5月1日に施行する

方針を決めました。


24日の閣議で、施行日を定めた政令を決定します。
2006/03/19 15:49|法律情報TB:0CM:0
平成18年4月1日から、不動産に係る登録

免許税に関して次のように改正が行われま



①平成15年4月1日から適用されている不動産登記に係る登録免許税の税率の特例(租税特別措置法第72条、税率ほ本則の2分の1に軽減)は、平成18年3月31日の適用期限の到来をもって廃止されます。
土地に関する次の登記に係る登録免許税について、その税率を本則の2分の1に軽減する特例(改正後の租税特別措置法第72条)が創設されます
(1)売買による所有権の移転の登記
(2)所有権の信託の登記
※この措置は、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に受ける登記に係る登録免許税について適用されます。

(1)所有権移転 
「売   買」・・1.0% → 2.0%、ただし土地については、1.0%(特例)
「相続・合併」・・0.2%→ 0.4%
「共有物分割」・・0.2%→ 0.4%
「贈与・その他」・・1.0%→2.0%


(2)「所有権保存」・・0.2%→0.4%

(3)地上権等の設定等
「設定、転質」・・0.5%→1.0%
「移転(売買等) 」・・0.5%→1.0%
「相続、合併等」・・0.1%→ 0.2%

(4)信託の登記
「所有権」・・0.2%→0.4%、ただし、土地については、0.2%(特例)
「所有権以外」・・0.1%→0.2%

(5)相続財産の分離の登記
「所有権」・・0.2%→0.4%
「所有権以外」・・0.1%→0.2%
2006/03/18 21:26|不動産(権利登記)TB:0CM:0

資本の部の取扱等

(1)組織再編時の資本金・準備金等の計数の取扱
現行法においては、組織再編行為に際しての明確な会計基準についての規定がありません。資本増加限度額、準備金額等についての規定が、散発的に存在し、横断的・統一的な規定は設けられていませんでした。
しかし、これでは、企業の結合にかかわる会計基準が設定されている場合には、その基準との整合性が問題となります。
そこで、新会社法においては、会計基準に沿った処理を目指して、組織再編時の資本の部の計数の算定方法を法務省令で定めることとしました(会社法445条5項)。
なお、法445条5項において法務省令で定めるべき事項とされているものは、会社計算規則の定めるところと、さらに委任を重ねています(施行規則116条)

(2)剰余金の計上
現行法上では、合併または人的分割の場合に限り、消滅会社または分割会社の留保利益相当額について、これを資本準備金とはせず、利益剰余金として引き継ぐことができるものとされています(商法288条ノ2第2項-5項)。
ところが、組織再編行為時の会計処理としてパーチェス法による場合には、剰余金の引継ぎという考え方は適切ではなく、他方、持分プーリング法によれば、留保利益相当額を引き継ぐだけでなく、資本金・準備金・剰余金等をそれぞれ適切な簿価で引き継ぐべきです。
そこで、新会社法においては、組織再編行為時の会計処理をパーチェス法による場合における剰余金の創設については、増加すべき資本金の額または準備金の額の減少による剰余金への振り替えが生じるのとしての剰余金の計上として整理しました。
また、持分プーリング法による場合の会計処理については、資本金・準備金・剰余金等の構成関係を適切に引き継ぐことができるような規定の見直しが行われました(同法445条5項、施行規則116条)。

注1・パーチェス法とは、被結合企業から受け入れる資産・負債の取得原価を、対価として交付する現金及び株式等の時価(公正価値)とする方法。
注2・持分プーリング法とは、すべての結合当事企業の資産、負債及び資本を、それぞれ適切な帳簿価額で引継ぐ方法。
2006/03/18 19:52|商業TB:0CM:0

異なる種類の会社間の組織変更

現行法下では、合名会社・合資会社が直接、株式会社へ組織変更する道は閉ざされていました。人的会社と物的会社とでは、その性質が異なるため、債権者保護の見地から、その組織変更を禁じていたのです。
そのため、合名会社・合資会社が株式会社へ組織変更するためには株式会社と合併するか、他の合名会社・合資会社と合併するという回り道をする必要がありました(商法56条、411条)。
しかし、このような迂遠な方法を採らなければならいないというのは、迅速な組織変更という近来の経済界からの要求からみれば、かけ離れたものといえます。また、債権者の保護という観点からは、別途、債権者保護の手段を講ずればよいことです。
そこで、新会社法においては、株式会社から持分会社(合名会社、合資会社および合同会社)への組織変更、持分会社から株式会社への組織変更を認めることとしました(会社法743条、2条26号)。なお、持分会社内での種類を変更する場合には、組織変更手続ではなく、定款変更の手続を経ることになります(会社法638条)。

(1)株式会社が持分会社に組織変更する場合は、以下の手続が必要となります。
①組織変更計画の作成(会社法743条,744条1項)
②組織変更計画に関する書面等の備置きおよび閲覧等(会社法775条)
③総株主の同意(会社法776条1項)
④登録株式質権者および登録新株予約権質権者への通知または公告(会社法776条2項、3項)
⑤新株予約権買取請求(会社法777条、778条)
⑥債権者保護手続(会社法779条)
⑦組織変更の登記(会社法920条、930条3項)

(2)持分会社が株式会社に組織変更する場合には、次の手続が必要になります。
①組織変更計画の作成(会社法743条、746条1項)
②総社員の同意(会社法781条1項)
③債権者保護手続(会社法781条2項、779条)
④組織変更の登記(会社法920条、930条3項)

(3)債権者の保護手続
組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対して異議を述べることができます(会社法779条1項)。なお、組織変更の効力が生じた日において、組織変更をする会社の組織変更について承認しなかった債権者は、会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人に並んで、組織変更の効力が生じた日から6か月以内に限って、当該組織変更無効の訴えを提起することができます(会社法828条1項6号、2項6号)。(Y.I)
2006/03/17 14:26|商業TB:0CM:0

合併等の効力発生日と公告

(1)合併等の効力発生日と対抗要件
現行法下では、合併、分割の効力が発生する時期は、それらの登記のときであると定められています(商法102条)。
しかし、現行法はまた、合併・分割に際して当事者間の契約で合併期日または分割期日を定めることを認めています。
このように、合併・分割期日と法律上の効力発生日が異なることについては、上場等の株式の取引の障害になるとの指摘がなされていました。
そこで、新会社法においては、
①効力発生日
吸収合併又は吸収分割については、登記時ではなく、組織再編行為を行う株式会社間で定めた一定の日において、その効力が発生するものとしました(会社法750条1
項)。
②対抗要件
合併・分割の効力発生日を当事者間で定めた一定日にした場合には、合併・分割の登記を一般的に商法12条による効果に留めるときは、相手方の善意・悪意によりその効果が左右されることが起こりえます。
そこてで、新会社法においては、登記をしなければ、第三者に対して、その善意・悪意を問わず対抗できない」とし(同法750条2項)、登記を基準とした一律的な対抗関係を設けました。

(2)公告
  合併・分割の効力発生日を当事者間で定めた一定の日に定めた場合には、利害関係者の保護のために、当該一定日を周知させることが適当であると考えられます。
  そこで、新会社法においては、効力発生日を公告させることとし、また、その期日を変更しまたは中止する場合にも公告を要することとしています(会社法790条)。

(3)新設合併・新設分割・株式移転
新たな会社を設立する組織再編行為に関しての効力発生時については、新会社法においては、会社成立の効力発生が登記によるものとされている関係を整理することが困難であるとして、見直しが行われませんでした。(Y.I)
2006/03/17 00:04|商業TB:0CM:0

株式交換・株式移転(その二)

(1)資本等の増加限度額
 株式交換や株式移転の際、完全親会社となる会社では、完全子会社となる会社の株式(資産)を取得し、その対価として完全親会社となる会社の新株等を交付しますので、取得した完全子会社株式見合いの資本項目が増加します。この場合の完全親会社となる会社の資本等の増加限度額について、現行法上では、完全子会社に現存する純資産額を基準とするものとしています(商法357条、367条)。
しかし、株式会社の資本等の増加限度額は、当該株式会社が受け入れた財産を基準にして測定するのが原則です。
現行法においても、新株発行の場合や合併・分割の場合でも、資本等の増加限度額は受入純資産額を基準とするものとされており、株式交換・株式移転の場合の資本増加限度額に関する規律との整合性を欠いています。
そこで、新会社法においては、これを「完全親会社が取得する完全子会社の株式の価額」へと改めることとし、具体的な株式の価値の算定に関しては法務省令で定めるものとしています(会社法445条5項)。

(2)会計基準との整合性
現在、企業結合における会計処理に関する基準が整備されつつあり、ここでは、受入資産・負債の所得額を、対価として交付する株式等の公正価値で評価するパーチェス法の採用が検討されています。
受入資産である完全子会社の株式ではなく、完全子会社の純資産を資本増加額の基準とする現行法の規定はパーチェス法の趣旨とも整合しないことになります。
これでは、商法の規定が、会計基準適用の障害となってしまいます。
そこで、今回の改正により、組織再編時における完全親会社の増加資本額についての規定が完全親会社が取得する財産(株式)の価額を基礎とすることとなったため、会社法上の規定が統一されるとともに、会計基準に合致することとなりました。(Y.I)

注・パーチェス法とは、被結合企業から受け入れる資産・負債の取得原価を、対価として交付する現金及び株式等の時価(公正価値)とする方法。
2006/03/16 17:20|商業TB:0CM:0

株式交換・株式移転(その一)


(1)株式交換の場合の債権者保護手続

現行法上では、株式交換については、合併・分割の場合には要求されている債権者保護手続は要しないものとされています。これは、株式交換においては、完全親会社が完全子会社の株式を受け入れ、その対価として新株を発行する手続であるため、完全親会社の純資産が減少することがないため、債権者保護手続は不要であるとされていたためです。
しかし、株式交換の対価として、株式以外の財産を認めた場合には、評価の仕方によっては、完全親会社の純資産に減少が生じる場合も想定されます。
そこで、新会社法においては、株式交換の対価として株式以外の財産をあてる場合には、完全親会社となる会社においては、債権者保護手続を要するのものとしました(会社法799条1項3号)。すなわち、株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が、株式交換完全親会社の株式その他これに準ずるものとして、法務省令で定めるもののみ以外の場合、又は株式交換完全親会社が子会社の新株予約権付社債に係る債務を承継する場合、株式交換完全親会社の債権者は、株式交換について異議を述べることができるのとしました。
なお、上記法務省令で定める株式交換完全親会社の株式に準ずるものとしては、次に掲げる第1項の額から第2項の額を減じて得た額が第3号の額より小さい場合における法786条1項2号及び3号の定めに従い交付する株式交換完全親会社の株式以外の金銭等とします(施行規則198条)。
一、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の合計額。
二、前号に規定する金銭等のうち株式交換完全親会社の株式の価額の合計額。
三、第1号に規定する金銭等の合計額に20分の1を乗じて得た額。

(2)株式交換無効の訴え
現行法では、株式交換については債権者保護の手続が要求されていないため、債権者は株式交換無効の訴えの提訴権を有しませんでした。しかし、新会社法においては、一定の場合においては、債権者保護を要求した関係上、異議を述べた債権者等を株式交換無効の訴えの提訴権者に加えることとなりました。なお、管轄については、完全親会社または完全子会社となる会社の本店所在地の地方裁判所の管轄に属するものとしました(会社法828条2項11号)。(Y.I)
2006/03/16 15:44|商業TB:0CM:0

合併差損が生じる組織再編行為の許容

(1)差損が生じる場合の組織再編行為
現在の実務では、存続会社が受け入れた純資産額がマイナスである場合等、合併差損等が生じる組織再編行為は認められないとされていました。
しかし、実際には資産の再評価を行ったり、のれんを計上するなどして、受入資産額をプラス評価に変えて合併等を実施していました。
しかし、新会社法においては、合併等の対価を広く柔軟化したこともあり、対価の存続会社においての簿価が受入純資産額を上回るというケースも増加するものと予想されます。
そこで、新会社法においては、差損が生じる組織再編行為を認めるとともに、所要の開示を求めることとしました。
具体的には、吸収合併が行われる際には、存続会社等の取締役は、吸収合併契約等の承認総会において、次に掲げる事項についての説明義務を負うことになります(会社法795条2項)。
① 吸収合併存続会社または吸収分割承継会社が承継する吸収合併消滅会社または吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(承継債務額)が、吸収合併存続会社または吸収分割承継会社が承継する吸収合併消滅会社または吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(承継資産額)を超える場合。

なお、上記の法務省令で定める債務の額とは、次に掲げる第1号の額から第2号の額を減じて得た額のことです(施行規則195条1項)。
一、 吸収合併又は吸収分割の直後に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額から法795条2項2号の株式等(社債(吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が有していた社債を除く。)に限る。)につき会計帳簿に付すべき額を減じて得た額。
二、吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額。
また、上記の法務省令で定める資産の額とは、次に掲げる第1号の額から第2号の額を減じて得た額とします(施行規則195条2項)。
一、吸収合併又は吸収分割の直後に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額。
二、吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額からから法795条2項2号に規定する金銭等(同号の株式等のうち吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が有していた社債等を含む。)の帳簿価額を減じて得た額。

②吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合。

③株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の帳簿価額が、株式交換完全親会社が承継する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合。

上記の法務省令で定める額とは、次に掲げる第1号及び第2号に掲げる額の合計額から第3号の額を減じて得た額とします(施行規則195条5項)。
一、株式交換完全親会社が株式交換によって取得する株式交換完全子会社の株式につき会計帳簿に付すべき額。
二、会計計算規則20条1号の規定により計上したのれんの額
三、会計計算規則31条本文の規定により計上する負債の額(株式交換完全子会社が株式交換完全親株式会社(連結配当規制適用会社に限る。)の子会社である場合にあっては、零)。

(2)差損が生じる場合の簡易組織再編行為の禁止
合併の結果、存続会社に合併差損が発生する場合には、簡易組織再編行為を行うことは認められていません(会社法796条3項)。

(3)反対株主・債権者の保護手続
吸収合併等に反対の株主は、存続株式会社等に対して、自己の有する株式を公正な価額で買い取ることを請求することができます(会社法797条1項)。
また、吸収合併等をする場合に、吸収合併存続株式会社の債権者は、存続会社に対し、吸収合併等について異議を申し立てることができます(同法799条1項)。
債権者が異議を述べたときは、存続株式会社等は、その債権者に対して、弁済し、もしくは相当の担保を提供し、または債権者に弁済を受けさせる目的として、信託会社等に相当の財産を信託しなければなりません。ただし、吸収合併をしても債権者を害するおそれがないときは、この限りではありません(同法799条5項)。(Y.I)
2006/03/15 13:00|商業TB:0CM:0
新株予約権・新株予約権付社債の承継

(その二)


(1)新株予約権者の買取請求権
現行法上では、株式移転および株式交換に際して、新株予約権の承継を行うには、新株予約権の発行条項に定められた事項にしたがって行われます(商法352条3項、364条3項)。
したがって、新株予約権者の利益の保護に欠けるところはありません。
しかし、発行条項に承継に関する定めがない場合にも、新株予約権の承継を認めることとすると、新株予約権者の利益を害するおそれが生じます。
そこで、新会社法においては、組織再編行為に際して、①発行条項において承継の定めがある場合に、当該定めの内容に沿わない取扱を行う場合と、②発行条項に承継に関する定めがない場合に、他の株式会社に承継された場合には、新株予約権者に新株予約権買取請求権を付与することとしています(会社法767条1項)。

(2)新株予約権付社債権者の買取請求権
 新会社法においては、新株予約権者の場合と同様な趣旨で、新株予約権付社債権者にも
社債の買取請求を認めています(同法767条2項)。
具体的には、(1)の①または②の新株予約権が付せられた新株予約権付社債権者は、原則として、新株予約権と社債を分離することなく、その保有する新株予約権付社債の買取を請求することができます。
ただし、発行条項で、新株予約権のみの買取、または新株予約権もしくは新株予約権付社債のいずれかの買取を請求することができる旨の定めが置かれている場合には、その定めに従って買取の請求を行うことができます。(Y.I)
2006/03/15 00:08|商業TB:0CM:0
新株予約権・新株予約権付社債の承継

(その一)


(1)新株予約権・新株予約権付社債の承継
現行法上では、株式移転および株式交換の場合においては、新株予約権を完全親会社となる会社へ承継させる手続が定められています(商法353条3項、364条3項)。
しかし、合併または会社分割については、承継させる手続が明確ではありませんでした。
そこで、新会社法では、合併または会社分割の際に、新株予約権を承継させる手続が明確化されました。具体的には、
①株式会社が存続会社になる吸収合併(会社法794条1項4号、750条5項)。
②株式会社を設立する新設合併(同法753条1項10号、754条5項)。
③株式会社に権利義務を承継させる吸収分割(同法758条5項、759条5号)。
④株式会社を設立する新設合併(同法763条10号、764条7項)。
が行われるに際して、消滅会社または分割会社が発行している新株予約権(または新株予約権付社債)を存続会社または承継会社が承継できる旨の規定が新設されました。

(2)新株予約権付社債の承継と債権者保護
現行法においては、新株予約権付社債の承継についての規定は存在せず、合併または会社分割の場合には、合併契約書または分割契約書に記載することによって承継は可能であると解されてきました。しかし、株式移転または株式交換の場合には、その承継を認めると社債権者の承諾なしに債務者の交代を許すこととなるため、承継すること自体が認められないものとされていました。
ところが、株式移転または株式交換の際に、新株予約権付社債の承継がなされない場合には、完全子会社という本来の目的が達成されなくなります。そこで、実務上は、繰上償還条項を活用して新株予約権付社債を繰上償還する等の方法に頼って対処することなどが行われていました。
そこで、新会社法は、このような状況に対応するため、新株予約権付社債権者に対する債権者保護手続を採用することを条件に、株式移転または株式交換に際しても、新株予約権付社債の承継を認めることとしました。
具体的には、①株式会社に発行済株式を取得させる株式交換(会社法768条1項4号、769条5項)、②株式移転に際して(同法773条1項9号、774条5項)、完全子会社が発行している新株予約権付社債を完全親会社となる会社が承継することができる旨の規定が新設されました。(Y.I)
2006/03/14 15:31|商業TB:0CM:0
 
強度不足設計の罰則に懲役刑3年以下。

 耐震データ偽造事件を受け、国土交通省は13日、違反建築物設計などへの罰則の強化や構造計算書の審査期間の延長などを柱とする建築基準法の改正案をまとめました。国交省は今月中にも、この改正案を建築士法改正案とともに国会に提出する方針です。
 改正案では、強度不足の建築物を設計した建築士への罰則を懲役3年以下、罰金300万円以下とし、民間確認検査機関などによる構造計算書の審査期間についても現行の21日以内から35日以内と延長します。
2006/03/14 15:24|法律情報TB:0CM:0
略式組織再編行為(その二)

(1)少数株主・種類株主の利益の保護
新会社法は、略式組織再編行為において、少数株主や種類株主の利益の保護を以下のように図っています。
①略式組織再編により株主総会の決議が不要とされている被支配会社の株主は、当該略式組織再編行為が、法令又は定款に違反し、又は著しく不当な条件で行われたことにより、不利益を受けるおそれがある場合には、当該略式組織再編行為の差止めを請求することができるものとしています(会社法784条2項、796条2項)。
②被支配会社が吸収合併における消滅会社又は株式交換における完全子会社である場合において、(ア)当該被支配会社が種類株式発行会社であり、かつ、(イ)合併等対価の全部又は一部が譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めたもの(以下譲渡制限株式等)であるときは、当該譲渡制限株式等の割当を受ける種類の株式の種類株主(譲渡制限株式の株主を除く。)を構成員とする種類株主総会の決議を要するものとしています(会社法783条3項)。
なお、上記の法務省令で定めるものとは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める株式会社の取得条項付株式(当該取得条項付株式に係る法108条2項6号ロの他の株式の種類が当該各号に定める株式会社の譲渡制限株式であるものに限る。)又は取得条項付新株予約権(当該取得条項付新株予約権に係る法236条1項7号ニの株式が当該各号に定める株式会社の譲渡制限株式であるものに限る。)とします。
1、吸収合併をする場合 吸収合併存続会社
2、株式交換をする場合 株式交換完全親会社
3、新設合併をする場合 新設合併設立会社
4、株式移転をする場合 株式移転設立会社
(施行規則186条)

③被支配会社が吸収合併における消滅会社又は株式交換における完全子会社である場合において、(ア)当該被支配会社が種類株式発行会社であり、かつ、(イ)合併等対価等の全部又は一部が持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下持分等)である場合には、当該持分等の割当を受ける種類の株主の全員の同意を要するものとしています(同法783条4項)。
④被支配会社が吸収合併における存続会社、吸収分割における承継会社又は株式交換における完全子会社である場合において、(ア)当該被支配会社が種類株式発行会社であり、かつ、(イ)合併等対価等の全部又は一部が存続会社、承継会社又は完全親会社の譲渡制限株式である場合には、原則として、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要するものとしています(会社法795条4項)。

(2)反対株主の株式買取請求権
組織再編行為に反対する株主については、公正な価格により自己の有する株式を買い取ることを請求することができるものとされています(会社法785条1項、797条1項)。

(3)組織再編行為無効の訴え
合併契約書の内容が違法である場合なとど、組織再編が違法に行われた場合には、株主は、組織再編行為の無効の訴えを提起できることとしています(会社法828条1項7号、9号、11号)。(Y.I)
2006/03/14 12:01|商業TB:0CM:0
略式組織再編行為(その一)

(1)略式組織再編行為とは
新会社法においては、略式組織再編成として、一方の会社が、他方の会社を支配下においている場合、被支配会社の株主総会の決議を要せずに組織再編成を行える制度を設けました(会社法784条1項)。
簡易組織再編制度とは異なり、略式組織再編制度は、主として消滅会社を対象とする制度です。新会社法においては、完全な支配関係にある会社間で組織再編を行う場合に、被支配会社において株主総会を開催したとしても、その結論については変わることはないはずです。そこで、被支配会社の株主総会の開催を不要にすることにより、迅速かつ簡易な組織再編行為を行うことを可能としたのです。

(2)事業譲渡等における略式組織再編
新会社法においては、吸収分割および株式交換をする場合にのほか、事業の全部または重要な一部の譲渡および事業全部の譲受等の場合においても、略式組織再編を認めるものとしています(会社法468条1項)。

(3)略式組織再編の要件
略式組織再編に関しては、現行の産業再生法に定めがあります。産業再生法においては、認定を受けた事業者が3分の2以上の議決権を有する子会社との間で行なう組織再編や、そのような子会社同士で行なう組織再編については、当該子会社の株主総会決議は不要とされています。
新会社法においては、ある会社が他の会社の総株主の議決権の9割以上を直接または間接に所有している場合の、当該「ある会社」を「他の会社」にとっての「特別支配会社」と定義しています((会社法468条1項)。ここで間接にとは当該特別支配会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が所有しているという意味です。
なお、法務省令で定める法人とは、①法468条1項に規定する他の会社がその持分の全部を有する法人(株式会社を除く。)、②法468条1項に規定する他の会社及び特定完全子法人(当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社及び前号に掲げる法人をいう。)又は特定完全子法人がその持分の全部を有する法人、のことです(施行規則136条)。(Y.I)
2006/03/13 20:35|商業TB:0CM:0

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