上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書く事で広告が消せます。
第6条(専属管轄) この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 民亊保全法に規定する裁判所の管轄は専属管轄です。 したがって、規定された以外の裁判所は管轄権を有しません。 From AIO
スポンサーサイト
第5条(事件の記録の閲覧等) 保全命令に関する手続又は保全執行に関し裁判所が行う手続について、利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 ただし、債権者以外の者にあっては、保全命令の申立てに関し口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は債務者に対する保全命令の送達があるまでの間は、この限りでない。 保全命令に関する手続または保全執行に関し裁判所が行う手続について、利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、事件の記録を閲覧や謄写を請求することができます。 また、事件記録の正本や謄本または抄本の交付や事件に関する事項の証明書の交付を請求することができます。 もっとも、債権者以外の者は、保全命令の申立てについての頭弁論または債務者を呼び出す審尋の期日の指定があるか、債務者に対する保全命令の送達があるまでの間は、以上の請求等は許されていません。 なお、保全命令に関する手続を迅速に行うために、 保全ことになっています命令に関する手続における口頭弁論の調書については、裁判長の許可を得て、証人、鑑定人若または当事者本人の陳述や検証の結果の記載を省略することができるものとされています(規則7条1項)。 また、 この規定によって調書の記載を省略する場合において、裁判長の命令または当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当事者の裁判上の利用に供するため、録音装置を使用して、その陳述を録音しなければならないことになっています。 この場合に、当事者の申出があれば、裁判所書記官は、録音体の複製を許さなければなりません(規則7条2項)。 From AIO
第4条 (担保の提供) この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は担保を立てるべきことを命じた裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第278条第1項に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。 ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。 2 民事訴訟法(平成8年法律第109号)第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。 保全命令は、本案の判決が出る前に、債権者の権利を実現させる制度ですから、法律は債務者の利益をも考慮して、債権者が担保を立てることを保全命令執行の条件とすることができるものとしています。 担保を立てるのは、担保を立てるべきことを命じた裁判所または保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に、①金銭、または②担保を立てるべきことを命じた裁判所が相当と認める有価証券を方法、③その他最高裁判所規則で定める方法によって行います。 最高裁判所規則で定める方法とは、担保を立てるべきことを命じた裁判所の許可を得て、これを命じられた者が銀行、保険会社、農林中央金庫、商工組合中央金庫、全国を地区とする信用金庫連合会、信用金庫または労働金庫との間において、規則2条に掲げる要件を満たす支払保証委託契約を締結する方法のことです(民亊保全規則2条、民事訴訟法76条)。 なお、民事訴訟法の第77条(担保物に対する被告の権利)、第79条(担保の取消し)および第80条(担保の変換)の規定は、保全処分における担保の提供について準用されます。From AIO
第3条(任意的口頭弁論) 民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 民亊保全手続に関するすべての裁判は、すなわち、仮差押命令、仮処分命令、保全異議および保全取消の申立てについての裁判も、保全抗告に対する裁判も、口頭弁論を経ないですることができます。 また、口頭弁論を開いて審理する場合でも、すべて決定をもって裁判をすることとしています。 事件処理の迅速化を図るための措置です。 From AIO
第2条(民事保全の機関及び保全執行裁判所) 民事保全の命令(以下「保全命令」という。)は、申立てにより、裁判所が行う。 2 民事保全の執行(以下「保全執行」という。)は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。 3 裁判所が行う保全執行に関してはこの法律の規定により執行処分を行うべき裁判所をもって、執行官が行う保全執行の執行処分に関してはその執行官の所属する地方裁判所をもって保全執行裁判所とする。 保全命令は、本案の管轄裁判所、または仮に差し押さえるべき物もしくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てて、その裁判所から出してもらうことになります。 この命令は、事件の性質により裁判所または執行官が執行することになります。 裁判所が行う保全執行については、その命令を出した裁判所が行い、執行官が行う保全執行については、その執行官の所属する地方裁判所が保全執行裁判所となります。From AIO
第1条(趣旨) 民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え及び係争物に関する仮処分並びに民事訴訟の本案の権利関係につき仮の地位を定めるための仮処分(以下「民事保全」と総称する。)については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 判決が言い渡される前の段階で、将来下されるであろう判決に基づく強制執行を予め確保しておくため、仮処分、仮差押さえと言う執行保全の手続きが認められています。 本法においては、① 民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え、②係争物に関する仮処分、③民事訴訟の本案の権利関係につき仮の地位を定めるための仮処分のことを総称して「民事保全」と呼びますが、この民亊保全に関しては他の法令に定められたものを除いて、本法の定めるところによります。 From AIO
第405条(担保の提供) この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 2 第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。 この編で定める規定によって担保を立てる場合で供託するときには、担保を立てることを命じた裁判所または強制執行を受け持つ執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に、供託しなければなりません。 この場合の担保提供の方法、担保物に対する被告の権利、担保の取消及び担保の変換についいては、第76条、第77条、第79条及び第80条の規定を準用します。 担保を立てるには、金銭または裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法、その他最高裁判所規則で定める方法によらなければなりません。 ただし、当事者間で特別の契約をしたときは、その契約によることが認められています。 From AIO
第404条(原裁判所による裁判) 第327条第1項の上告の提起、仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起若しくは上告受理の申立て又は仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起があった場合において、訴訟記録が原裁判所に存するときは、その裁判所が、前条第1項に規定する申立てについての裁判をする。 2 前項の規定は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合について準用する。 高等裁判所が上告審として言渡した判決に対して特別上告が提起された場合、あるいは仮執行宣言付の終局判決に対して控訴・上告が提起された場合には、債務者は強制執行を停止するため、執行停止の申立てをすることになりますが、その際に訴訟記録が原判決を言い渡した裁判所にまだあるときは、急を要するために、その原裁判所が裁判をすることになります。 From AIO
第403条 (執行停止の裁判) 次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第3号から第6号までに掲げる場合に限り、することができる。 一 第327条第1項(第380条第2項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の上告又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。 二 仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。 三 仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。 四 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決又は支払督促の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。 五 仮執行の宣言を付した手形訴訟若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。 六 第117条第1項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。 2 前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 給付判決が確定した時、あるいは仮執行宣言が付されている場合には、強制執行をすることができます。 しかし、例え判決が確定しても、それについて再審の訴えが提起された場合には、もとの判決が取り消されることも考えられるため、強制執行をさせてしまうと適切ではないおそれも生じます。 そこで、本編で執行停止の制度を設けているのです。 本条1号から6号に掲げられた場合に限って、裁判所は当事者からの申立てにより。決定により、担保を立てさせ、または立てさせないで強制執行を一時停止することを命じたり、あるいはこれとともに、担保を立てて強制執行を開始したり、または強制執行を続行するよう命じたりします。 また、担保を立てさせて、既に行われた執行処分の取消しを命じることができのす。 ただし、強制執行を開始し、または続行するように命じるのは、本条に掲げる3号から6号の場合に限られます。 たとえば、高等裁判所が上告審として言渡した判決に対して327条の規定に基づいて特別上告が起こされている場合には、判決の確定を妨げないため、その判決によって債権者は強制執行をすることは可能です。 しかし、そのまま強制執行がされてしまうと、その後の審理の結果、特別上告に理由のあることが分かり、原判決が取消、変更された場合には債務者側に取り返しのつかない損害を与えてしまう事態も考えられます。 そこで、このような場合には、裁判所は債務者からの申立てにより、担保を立てさせ、あるいは事件の状況によれば無担保で執行の一時停止を命じることができるものとしています。 一方、債権者側にとっては、債務者側の申立てにより強制執行ができなくなることにより非常に困惑する事態も想定できます。 そのため、このような場合には、裁判所は債権者側からの申立てにより、担保を立てさせたり、または立てさせることなく、強制執行を開始し、あるいは既に開始していた強制執行を続行させることができるものとされているのです。 From AIO
第402条(電子情報処理組織による督促手続における所定の方式の書面による支払督促の申立て) 電子情報処理組織(裁判所の使用に係る複数の電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所の裁判所書記官に対しては、第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定める方式に適合する方式により記載された書面をもって支払督促の申立てをすることができる。 2 第398条の規定は、前項に規定する方式により記載された書面をもってされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときについて準用する。 オンライン処理により督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所の裁判所書記官に対しては、383条の規定による場合のほか、同条で定めている簡易裁判所が、別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合であっても、最高裁判所規則で定める方式に適合する方式により記載された書面によって支払督促の申立てができます。 オンライン処理による申立の方が例外的措置ですから、当該簡易裁判所においても本則による書面による申立てができるとするのは当然のことです。 また、督促異議が起こされた場合の移行先の裁判所についての398条の規定は、前項の規定にしたがって記載された書面で申し立てられた支払督促に対し、適法な督促異議の申立てがあったときについても準用されます。 From AIO
第401条(電磁的記録に係る訴訟記録の取扱い) 督促手続に係る訴訟記録のうち、第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた申立て等に係る部分又は前条第1項の規定により電磁的記録の作成等がされた部分(以下この条において「電磁的記録部分」と総称する。)について、第91条第1項又は第3項の規定による訴訟記録の閲覧等の請求があったときは、指定簡易裁判所の裁判所書記官は、当該指定簡易裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。電磁的記録の作成等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。 2 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、第398条の規定により訴えの提起があったものとみなされる裁判所は、電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。 督促手続についての訴訟記録のうちで、オンライン処理を用いてなされた申立て等がされた部分や、前条1項の規定により電磁的記録の作成等がされた部分について、訴訟記録の閲覧等の請求(91条1項、3項)があったときは、指定簡易裁判所の裁判所書記官は、その簡易裁判所が使用している電子計算機に備えられたファイルに記録された電磁的記録部分の内容を書面に出力して、その訴訟記録の閲覧等をその書面によってするものとします。 電磁的記録の作成等につていの書類の送達や送付も、同様に出力した書面で行います。 また、オンライン処理により申し立てられた支払督促に対して、適法な督促異議の申立てがあったときは、訴えの提起があったものとみなされる裁判所(398条)は、電磁的記録部分の内容を書面に出力し、その訴訟記録の閲覧をその書面によって行うものとします。 。 From AIO
第400条(電磁的記録による作成等) 指定簡易裁判所の裁判所書記官は、第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関し、この法律その他の法令の規定により裁判所書記官が書面等の作成等(作成又は保管をいう。以下この条及び次条第1項において同じ。)をすることとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、書面等の作成等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面等に係る電磁的記録の作成等をすることができる。 2 第132条の10第2項及び第4項の規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする電磁的記録の作成等について準用する。 指定簡易裁判所(東京簡易裁判所・大阪簡易裁判所)の裁判所書記官は、オンライン処理をもって申し立てられた支払督促手続については、この法律その他の法令の規定により裁判所書記官が、書面等を作成・保管することと規定されているものについては、その代わりに最高裁判所規則で定めにより、電磁的記録の作成・保管をすることができます。 オンライン処理による申立てについての第132条の10第2項及び第4項の規定は、前項の規定によって指定簡易裁判所(東京簡易裁判所・大阪簡易裁判所)の裁判所書記官がする電磁的記録の作成・保管について準用されます。 From AIO
第399条(電子情報処理組織による処分の告知) 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関する指定簡易裁判所の裁判所書記官の処分の告知のうち、当該処分の告知に関するこの法律その他の法令の規定により書面等をもってするものとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いてすることができる。 2 第132条の10第2項から第4項までの規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする処分の告知について準用する。 3 前項において準用する第132条の10第3項の規定にかかわらず、第1項の規定による処分の告知を受けるべき債権者の同意があるときは、当該処分の告知は、裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該処分に係る情報が最高裁判所規則で定めるところにより記録され、かつ、その記録に関する通知が当該債権者に対して発せられた時に、当該債権者に到達したものとみなす。 オンライン処理で申し立てられた支払督促手続についての指定簡易裁判所(東京簡易裁判所および大阪簡易裁判所)の裁判所書記官の処分の告知のうち、この法律や他の法令で、その告知は書面等をもってするものとされているものについては、その法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところによって、オンライン処理で行うことができます。 オンライン処理による申立てについての第132条の10第2項から第4項までの規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする処分の告知についても準用されます。 また、第1項の規定によって処分の告知を受ける債権者が同意した場合には、その 処分の告知が、裁判所の使用している電子計算機に備えられたファイルに、その処分についての情報が最高裁判所規則で定めにしたがって記録され、かつ、その記録に関する通知が、その債権者に対して発せられた時に、その債権者に到達したものとして扱われます。 第132条の10第3項の規定とは異なった扱いです。From AIO
第398条 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、当該支払督促の申立ての時に、第383条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するもの若しくは前条の別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 2 前項の場合において、同項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所が二以上あるときは、督促異議に係る請求については、これらの裁判所中に第383条第1項に規定する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、その裁判所がない場合には同条第2項第1号に定める地を管轄する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 3 前項の規定にかかわらず、債権者が、最高裁判所規則で定めるところにより、第1項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所のうち、一の簡易裁判所又は地方裁判所を指定したときは、その裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 オンライン処理により支払督促が発せられ、これに対して債務者から督促異議が申し立てられると、事件は訴訟に移行することになりますが、その移行先の裁判所については、次のように取り扱いがなされます。 すなわち、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、当該支払督促の申立ての時に、第383条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するものや別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所またはその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされる取り扱いがされます。 以上の規定によった場合に、訴訟に移行すべき簡易裁判所または地方裁判所が二以上あるときは、督促異議の請求については、これらの裁判所中に第383条第1項に規定する簡易裁判所、または請求額に応じて、その所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、これにより裁判所が決まらないときは、債務者の事務所・営業所の所在地を管轄する簡易裁判所、または請求額に応じて、その所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます。 なお、この規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、債権者が本条、第1項に規定する簡易裁判所または地方裁判所のうちの一つを指定したときは、その裁判所へ移行するものとみなされます。 From AIO
第397条(電子情報処理組織による支払督促の申立て) 電子情報処理組織を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所(以下この章において「指定簡易裁判所」という。)の裁判所書記官に対しては、第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いて支払督促の申立てをすることができる。 ヤンラインを使用して督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所のことを指定簡易裁判所と呼んでいます。 現在のところ、指定簡易裁判所は、最高裁規則238条により東京簡易裁判所、大阪簡易裁判所の2簡易裁判所に限られています。 この裁判所の書記官に対しては、383条で認められている支払督促をオンライン出申し立てることができます。 また、指定裁判所の書記官は、最高裁規則で定める別の簡易裁判所に対する支払督促の申立ても受け付けて、オンライン処理をすることができるようになっています。 本日現在、札幌高等裁判所、仙台高等裁判所、高松高等裁判所の管轄区域内を除く、全国の簡易裁判所については督促手続がオンライン処理できるようになっています。 From AIO
第396条(支払督促の効力) 仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。 仮執行宣言付の支払督促に対し督促異議の申立てがないときやは督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、訴訟の判決が確定した場合と同一の効力を有するものとされています。 債務者が異議の機会を見過ごして、支払督促に仮執行宣言がなされて、それが確定してしまうと、債権者は強制執行ができることになり、債務者は督促手続上では争う機会を奪われてしまいます。 From AIO
第395条(督促異議の申立てによる訴訟への移行) 適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。 適法な督促異議の申立てがあった場合には、その督促異議に関する請求は、支払督促の申立ての時に、訴えの提起があったものとみなされます。 それは、督促による請求額によって、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所またはその所在地を管轄する地方裁判所のいずれかへの訴訟の移行として取り扱われます。 このようにして訴訟に移行した場合には、支払督促手続の費用は、訴訟費用の一部として扱われることになります。 支払督促は、債務者の審尋なしで行われる簡易な手続ですから、相手方から異議が出されれば、通常の訴訟に移行するのは当然の措置です。 債権者は、支払督促手続を利用する場合には、訴訟に移行することがあることを予想しながら、手続きを進めて行く必要があります。 From AIO
第394条(督促異議の却下) 簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 督促異議の申し立てにより、督促事件は書記官から簡易裁判所へ送られます。 そこで、裁判官が督促異議について調べた結果、それが不適法であると認めるときは、 たとえ督促の請求額が大きく、訴訟としては地方裁判所の管轄に属するものであっても、自ら督促異議却下の決定を下さなければなりません。 この決定に対しては、即時抗告をすることが許されています。 本条は、このように簡易裁判所の督促異議却下権を明確にしたものです。 請求額の多寡にかかわらず、督促異議の適否を決めるのは簡裁の権限であるのは、いうまでもないことです。 From AIO
第393条(仮執行の宣言後の督促異議) 仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から二週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。 仮執行宣言付の支払督促の送達を受けた日から、不変期間である2週間を過ぎてしまうと、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができなくなります。 債務者は仮執行宣言付の支払督促送達を送達されても、なお2週間の余裕を与えられているわけですから、その間に異議の申立てをするかどうかを考慮できる筈です。 From AIO
第392条 (期間の徒過による支払督促の失効) 債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。 債権者は、債務者に支払督促が送達され、督促異議の申し立てもないときは、速やかに仮執行宣言の申立てをなすべきですが、債権者がこれを怠って1か月間放置しておくと、支払督促は無効となってしまいます。 本条は債権者側に手続上の怠慢があった場合の懲罰的な特則です。 From AIO
第391条(仮執行の宣言) 債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。 2 仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記載をした支払督促を送付することをもって、送達に代えることができる。 3 第385条第2項及び第3項の規定は、第1項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。 4 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第260条及び第388条第2項の規定は、第1項の仮執行の宣言について準用する。 債務者が、支払督促の送達を受けた日から2週間以内に、督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促額に手続の費用額を付記して、仮執行の宣言をしなければならないことになっています。もっとも、2週間を過ぎても、宣言を発する前に督促異議の申立てがあったときは、訴訟へ移行しますから、仮執行の宣言をすることはできません。 仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを双方の当事者に送達しなければなりません。 ただし、債権者については、その同意があれば、その記載をした支払督促を送付することによって送達に代えることが許されています。 債権者の仮執行宣言の申立てを、書記官が却下したときは、相当と認める方法で却下の処分を告知することによって、その効力を生じます。 この書記官の処分についての異議の申立ては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に、裁判官に対してしなければなりません。 さらには、この異議の申立てに対して、裁判官が裁判を下した内容に不服がある場合には、即時抗告をもって不服の申立てができます。 書記官が出す仮執行宣言の効果については、その宣言または本案判決を変更する判決の言渡しによって、その変更の限度においてその効力を失うことになります。 なお、本案判決を変更する場合には、裁判所は、被告の申立てにより、その判決において、仮執行の宣言に基づき被告が給付したものの返還及び仮執行によりまたはこれを免れるために被告が受けた損害の賠償を原告に命じなければならないものとされています。 仮執行宣言の効力は、それが債務者に送達された時から発生します。 From AIO
第390条 (仮執行の宣言前の督促異議) 仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。 支払督促が発せられて、まだ書記官が仮執行宣言をする前に、適法な督促異議の申立てをすれば、支払督促は、その督促異議の範囲で効力を失ってしまいます。 このように支払督促を無効にするためには、異議の申立てをすればよいわけですが、債務者は2週間という限定的な期間内に、訴訟に移行した場合の勝訴の見込みを判断し、証拠の収集に努めなければなりません。 From AIO
第389条(支払督促の更正) 第74条第1項及び第2項の規定は、支払督促について準用する。 2 仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する第74条第1項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。 支払督促に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てによりまたは職権で、いつでもその処分を更正することができます。 この処分に対して不服がある場合には、裁判官に対して異議の申立てをすることができます。 ただし、仮執行の宣言後に、適法な督促異議の申立てがあった場合には、その目的の価額によって、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所またはその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされますから(395条)、上記の書記官が行った更正に対しての裁判官に対する異議の申立てはできないことになっています。 From AIO
第388条(支払督促の送達) 支払督促は、債務者に送達しなければならない。 2 支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。 3 債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所若しくは事務所又は就業場所がないため、支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。この場合において、債権者が通知を受けた日から二月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。 支払督促は、債務者に送達しなければなりません。支払督促の効力は、それが債務者に送達された時点で発生することになります。 債権者が申し出た債務者の住所、居所、営業所・事務所または就業場所が誤っていたり、あるいは移転したり閉鎖したりしていて、支払督促が送達できなかったときは、 裁判所書記官は、そのことを債権者に通知することになります。 この場合には、債権者が通知を受けた日から2月の不変期間内に新たな送達場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなされてしまいます。 債務者は、至急に調査をして新しい送達場所を調べだし、書記官に対して上申書を提出する必要があります。 From AIO
第387条 (支払督促の記載事項) 支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。 一 第382条の給付を命ずる旨 二 請求の趣旨及び原因 三 当事者及び法定代理人 支払督促には、①金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を命ずること、②請求の趣旨と原因、③債権者・債務者の氏名・住所、法定代理人の氏名・住所を記載し、債務者が支払い督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしない場合には、債権者の申立てによって仮執行の宣言がなされる旨の警告を付記しておかなければなりません。 From AIO
第386条(支払督促の発付等) 支払督促は、債務者を審尋しないで発する。 2 債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。 支払督促は、債務者を呼び出して審尋することなく発せられます。 一方、債務者は、この支払督促に対し、その支払督促を出した書記官が所属している簡易裁判所に対して「督促異議の申立」をすることができます。 債務者は,申立書の内容を検討し、訴訟をすれば勝訴を得る自信があれば、異議を提起することになります。 From AIO
第385条(申立ての却下) 支払督促の申立てが第382条若しくは第383条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。 4 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 支払督促の申立てが第382条に定められた権利以外の権利に基づいて申し立てられた場合や第383条に規定された裁判所以外の裁判所の書記官に申し立てた場合、または申立書に記載されている申立の趣旨からみて、そのような請求は到底認められないときは、その支払督促の申立ては却下しなければなりません。 また、支払督促を申し立てた請求の一部について支払督促を発することができない場合には、その一部についても、申立を却下しならないことになっています。 このように誤った裁判所に支払督促を申し立てると、管轄違いを理由とする移送(16条)は認められていません。 この点は訴えの提起の場合と異なっています。 したがって、却下後に改めて管轄簡易裁判所へ申し立てることになります。 この却下処分に対する異議の申立ては、却下の告知を受けた日から1週間の不変期間内に、却下をした書記官の所属する簡易裁判所にしなければなりません。 この異議の申立てについての裁判に対しては、不服の申立ては許されていません。 From AIO
第384条(訴えに関する規定の準用) 支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。 支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用ますから、支払督促の申立書には、訴状と同様に記載が要求されています。 すなわち、①当事者双方の氏名・住所、法定代理人の氏名・住所、②請求の趣旨および原因を記載しなければなりません。 From AIO
第383条(支払督促の申立て) 支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。 2 次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。 一 事務所又は営業所を有する者に対する請求でその事務所又は営業所における業務に関するもの 当該事務所又は営業所の所在地 二 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する請求 手形又は小切手の支払地 支払督促の申立ては原則として、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してすることになります。 ただし、次に掲げるような特別な請求について支払督促の申立てをする場合には、それぞれの簡易裁判所へ申し立てることが許されています。 ① 事務所または営業所を有する債務者に対する請求で、その事務所または営業所における業務に関するものであるときは、その事務所または営業所の所在地を管轄する簡易裁判所。 ② 手形または小切手による金銭の支払の請求およびこれに附帯する請求について支払督促の申立てをする場合には、その手形または小切手の支払地を管轄する簡易裁判所。 次条で定められているように支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定が準用されています。したがって、通常の訴訟の場合の法定管轄と同様な扱いがされています。From AIO
第382条 (支払督促の要件) 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。 金銭その他の代替物または、債券のような有価証券の一定の数量の給付の請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができます。 ただし、この支払督促は、日本においては公示送達以外の方法で債務者に送達できる場合でなければなりません。 つまり、債権者の申立書は債務者に送達されなければならないとされているのです。 したがって、送達が外国で行われる場合とか、債務者の居所不明のため、公示送達でしか送達できないときは、この手続きは利用できません。 From AIO