我孫子総合事務所・相続・遺言・債務問題

相続手続き・遺言書作成代行から債務問題の解決まで

プロフィール

我孫子総合事務所(AIO)

Author:我孫子総合事務所(AIO)
災害で犠牲になられた皆様に衷心より哀悼の意を表し、そのご冥福をお祈り申し上げます。

また、被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。

そして、一日も早い復興を切にお祈り申し上げます。

What is a Nintei-Shiho-Shoshi Lawyer? 

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on. The summary courts have the original jurisdiction over civil cases ,involving claims for amounts not exceeding 1,400,000 yen.
There are 438 summary courts in Japan.


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相続税の改正

基礎控除の縮小

2015年以後の相続税の基礎控除の算出方法

2014年12月まで 5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)=基礎控除額

2015年1月以降 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=基礎控除額




グレーゾーン金利とは

利息制限法という法律があります。
これは、お金を貸した場合の利息について定めた法律です。
この法律によれは、最高年20%を超える利息は、「超えた部分について無効」としています。
ところが、実際には消費者金融の貸付や信販会社のキャッシングの多くは、年20%以上29.2%以下の利率をとっています。
これは、これらの貸金業者については、「出資法」という法律があり、年29.2%を超える利率による貸付は罰せられるからです。
この「利息制限法」による金利と、「出資法」による金利との差の部分が、「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。
つまり、黒でも白でもない微妙な部分というわけです。
ところが、最近の裁判では、この「グレーゾーン金利」の部分は無効であるという判決が多く出されています。
これによって、貸金業者からお金を借りた人が、支払ってきた金利のうち、「利息制限法」を超える利息は無効とされることとなりました。
つまり、「グレーゾーン金利」は、はっきりと「ブラックゾーン金利」となったわけです。
したがって、既に支払った無効な部分は、元金の支払に充てられるべきだとされたのです。
そのため、過去の取引を「利息制限法」の利率で計算しなおす必要が生じました。
この計算のことを「引き直し計算」といいます。
この「引き直し計算」をすると、多くの場合は元金が減り、場合によっては元金すら払い過ぎていることがあります。
この払い過ぎたお金のことを、「過払い金」と呼んでいます。


不動産登記規則の一部が改正されます。

今般、不動産登記の申請情報およびその添付情報等の保存期間を延長するための整備を行うとともに、商業・法人登記事務の集中化の実施にともなう整備のために規則の改正が行われます。

概要は次のとおりです。
① 不動産登記規則第28条に定める情報の保存期間について、不動産登記の申請情報及びその添付情報等の一部の情報の保存期間を30年に延長する。
② 規則第36条の資格証明情報の省略等の取扱いにつき、商業・法人事務の集中化の実施後において、集中化により商業・法人事務を取り扱わないこととされる登記所が不動産登記の申請を受けた場合であっても、従前と同じ扱いをすることができるようにする。
③ 平成20年7月下旬、公布・施行の予定。



不動産登記令の一部改正(半ライン方式)
添付情報別送方式・特例方式

オンライン申請を可能にする新不動産登記法が施行されてから二年が過ぎました。
しかし、その活用はきわめて低調です。
その原因は、オンライン申請に必要となる公的個人認証(住民基本台帳カード)が全くといっていいほど普及していないことと、登記の添付情報とされている公的機関の証明(戸籍謄本、各種許可書、裁判書等)の電子化が進んでいないことにあります。
このような状況が改善されなければ、不動産登記のオンライン申請件数の増加期待することは困難です。
そこで、このような状況が一定程度解消されるまでの間、オンライン申請の際の添付情報の全部又は一部を書面で送付すること(別送)が許容されることとなりました。

内容
① オンライン申請をする場合に、添付情報が書面に記載されているときは、当分の間、その書面を登記所に提出する方法により添付情報を提供することができるものとします。
  添付情報が書面に記載されている場合としては、例えば、委任状(実印を押印し、印鑑証明書を添付する)を作成した場合や、売買契約書を作成して売買した場合などが想定されます。
② 添付情報を別送する場合には、申請情報(及び添付情報の一部)がオンラインで送信されることが必要ですが、その送信後の取り扱いの明確化を図るため、その旨が申請情報に盛り込まれることとなります。
③ 別送を認めることにより、オンライン申請の場合にも添付情報の一部が書面で提出されることとなるのに伴い、書面申請に関する規定のうち、必要な規定については、準用することとなりました。
イ) 第17条、公務員が作成した代表者の資格証明書等については作成から3か月以内のものを使用するとなどを定めた規定
ロ) 第18条、委任による代理人(復代理人を含む)の権限を証する情報を記載した委任状には、本人等の記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を貼付しなければならないことなどを定めた規定
ハ) 第19条、承諾書面・同意書面が必要になる場合には、作成者が記名・押印をし、かつ、印鑑証明書を添付しなければならないことを定めた規定
④ 特に、権利の登記については、登記原因が備わっていないにもかかわらず、順位の確保を図ることを目的として、オンライン申請を行うおそれがあることから、登記原因を証する情報を記載した書面を提出する場合には、あらかじめ、その書面に記載された情報を記録した電磁的記録を提供しなければならないものとされています。
この電磁的記録とは、具体的には、書面をスキャナーで読み取って作成したPDFファイルのことです。
なお、この電磁的記録の送信は、添付情報の原本となる書面の写しをあらかじめ送付させるのと同様な意味合いですから、その作成者が誰であるかは必ずしも重要とはいえません。
そこで、登記令第12条第2項の適用除外を設け、作成者は電子署名を行うこと要しないものとされました。
⑤ 施行日
平成20年1月15日


各位
                       平成19年11月吉日
              
司法書士法人 我孫子総合事務所

晩秋の候、貴社におかせられましても、ますますご清栄のことと存じます。
さて、明年度より下記のとおり「オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度」
が創設されましたので、取り急ぎお知らせいたします。
なお、本事務所におきましても、極力本制度を取り入れ、お客様の税負担軽減のお手伝いをいたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

オンライン申請に係る登録免許税の税額控除制度の創設

平成20年1月1日から平成21年12月31日までの間に、電子情報処理組織を使用して次の登記の申請を行った場合には、その登記に係る登録免許税額から、その100分の10に相当する金額(上限が5000円)を控除することとされました。

(1) 不動産の所有権の保存若しくは移転登記又は抵当権の設定登記

(2) 次の法人の設立登記
① 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社
② 保険業法に規定する相互会社
③ 中間法人法に規定する中間法人
④ 資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社
⑤ 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人

なお、具体的には、不動産登記に関しては平成20年1月15日、商業法人登記に関しては平成20年1月4日からの施行となります。


控除額は登録免許税額の10%

上限は5000円

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(補足説明)

1 問題の所在

(1) 現行法は,連帯債務者の一人について生じた事由の効力は他の連帯債務者には及ばないこと(相対的効力)を原則としつつも(民法第440条),他の連帯債務者にも効力が及ぶ事由(絶対的効力事由)を多く認めています(同法第434条から第439条まで)。

連帯債務は,一人の債務者の無資力の危険を分散するという人的担保の機能を有するところ,絶対的効力事由が多いことは連帯債務の担保的効力を弱める方向に作用し,債権者の通常の意思に反するのではないかという問題が指摘されています。

そこで,本文では,連帯債務の担保的効力の観点から,現行法が定める絶対的効力
事由を見直すこととしています。

(2) ところで,法律の規定により連帯債務とされるもののうち共同不法行為者が負担する損害賠償債務(民法第719条)については,判例(最判昭和57年3月4日)・学説は,絶対的効力事由に関する一部の規定の適用がない不真正連帯債務に該当するとしています。

これは,共同不法行為者間には,必ずしも主観的な共同関係があるわけではないことから,他の連帯債務者に影響が及ぶ絶対的効力事由を認める基礎を欠くという理論的な理由のほか,被害者の利益保護の観点から連帯債
務の担保的機能を弱めることが適当ではないという実際上の理由に基づくものと解されています。

連帯債務の絶対的効力事由を見直す際には,この不真正連帯債務の取扱いも視野に入れる必要があります。

2 具体的な見直しの在り方

(1) 連帯債務者の一人との更改(民法第435条関係)

民法第435条は,連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは,債権は,すべての連帯債務者の利益のために消滅すると規定しています。

例えば,A,B,Cの3名の連帯債務者が債権者に対して30万円の連帯債務を負い,その負担部分がそれぞれ平等である場合において,Aが債権者との間でAの債務をA所有の自転車を債権者に引き渡すという債務に変更する旨の更改契約を締結したとすると,これによって,Aの債務のみならず,BとCの債務も消滅することになります。

しかし,このような帰結に対しては,連帯債務者の一人との間で更改契約を締結する場合の債権者の通常の意思に反するとの批判があります。

すなわち,債権者が連帯債務者の一人との間で更改契約を締結したとしても,その更改契約に基づく債務の履行を
受けるまでは,債権者は何らの満足も得られないのですから,債権者は他の連帯債務者の債務を消滅させる意思までは有していないのが通常であるというのです。

そこで,本文アでは,連帯債務者の一人との更改には相対的効力しか認められないことを原則としつつ,当事者間の別段の合意によって絶対的効力を生じさせることは妨げないものとしています。

別段の合意をする当事者の範囲に関しては,債権者と履行の請求の効力を及ぼし合う全ての連帯債務者が想定されています。

本文アの考え方によれば,上記の例では,Aが債権者との間でAの債務をA所有の自転車を債権者に引き渡すという債務に変更する旨の更改契約を締結したとしても,BとCは債権者に対して連帯して30万円を支払わなければならないままとなります。

そして,Aが債権者に対して当該自転車を引き渡すと,Aの更改契約に基づく債務が消滅するとともにBとCの債務も消滅することになり,AはBとCに対して10万円ずつの求償をすることができることになります。

(2) 連帯債務者の一人による相殺等(民法第436条関係)

ア 民法第436条第1項関係

民法第436条第1項は,連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において,その連帯債務者が相殺を援用したときは,債権は,すべての連帯債務者の利益のために消滅すると規定しています。

債務者の一人による相殺に絶対的効力を認めていることに対しては,特に異論は見られないので,本文では,民法第436条第1項の規律を維持するものとしています。

イ 民法第436条第2項関係

民法第436条第2項は,連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合に,その連帯債務者が相殺を援用しない間は,その連帯債務者の負担部分について,他の連帯債務者が相殺を援用することができると規定しています。

そして,判例(大判昭和12年12月11日)は,この規定について,連帯債務者の一人の有する債権を用いて他の連帯債務者が相殺の意思表示をすることができることを定めたものだとしています。

例えば,A,Bの2名の連帯債務者が債権者に対して100万円の連帯債務を負い,その負担部分がそれぞれ平等である場合において,Aが債権者に対して100万円の反対債権を有していたとすると,Bは,Aの負担部分(50万円)の限度でこの反対債権を自働債権とする相殺の意思表示をすることができることになります。

その結果,Bは,残りの50万円を債権者に支払えばよいことになります。

仮に,同項が存在しないとすると,上記の例では,Bが債権者に対して100万円を支払った後,BはAに対して50万円を求償し,Aは債権者に対して反対債権の請求をすることになりますから,結局,求償の循環に類似した状況が生じることになります。

また,債権者が無資力になっていた場合には,Aは反対債権の回収をすることができないことにもなりかねません。

しかし,民法第436条第2項に対しては,連帯債務者の一人の有する債権を用いて他の連帯債務者が相殺の意思表示をすることができるとすると,連帯債務者の間で相互に他人の債権を処分することができることになって不当であるとの批判があります。

そこで,同項は,反対債権を有する連帯債務者の負担部分の限度で,他の連帯債務者が自己の債務の履行を拒絶することができることを定めたものであるとの考え方が主張されています。

本文ウでは,この考え方を採用して,連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において,その連帯債務者が相殺を援用しない間は,その連帯債務者の負担部分の限度で,他の連帯債務者は,自己の債務の履行を拒絶することができるものとしています。

(3) 連帯債務者の一人に対する免除(民法第437条関係)民法第437条は,連帯債務者の一人に対する債務の免除は,その免除を受けた連帯債務者の負担部分の限度で絶対的効力を生ずると規定しています。

例えば,A,B,Cの3名の連帯債務者が債権者に対して30万円の連帯債務を負い,その負担部分がそれぞれ平等である場合において,債権者がAに対して債務の免除をすると,その免除の効力はAの負担部分である10万円の限度でBとCにも及ぶことになり,その結果,BとCは債権者に対して連帯して20万円を支払えばよいことになります。

ここで,Bが債権者に対して20万円を支払うと,BはCに対して10万円の求償をすることができますから,結局,債権者は20万円を受け取り,BとCが10万円ずつを支払ったことになります。

仮に,同条が存在しないとすると,上記の例では,債権者がAに対して債務の免除をしても,BとCには何らの影響も及ばず,BとCは債権者に対して連帯して30万円を支払わなければならないままとなります。

そして,Bが債権者に対して30万円を支払ったとすると,BはAとCに対して10万円ずつの求償をすることが
できることになります。

ここで,AがBに対して10万円の求償に応じたとすると,Aは債権者から債務の免除を受けたにもかかわらず10万円の支出を強いられたとして,債権者に対して10万円の求償(不当利得返還請求)をすることができると考えられます。

そうすると,結局,債権者は差引き20万円を受け取り,BとCは10万円ずつを支払ったことになる(ただし,この例において,債権者は,Bに対する30万円の債権に基づいてBから30万円の支払を受けたにすぎず,法律上の原因なき利益を何ら取得していませんから,Aの債権者に対する不当利得返還請求権は発生しないとも考えられます。)。

以上のとおり,同条の存否にかかわらず,結果的には,債権者が20万円を受け取り,BとCが10万円ずつを支払うという同一の結論に落ち着くと考えられますが,同条が存在する場合のほうが,求償の循環を避けられるため,手間や費用が少なくて済むし,求償の循環の間に無資力者が現れることによる不公平を回避することもできます。

同条の存在意義は,こうした求償の循環や不公平の回避にあるとされています。

しかし,民法第437条の規定に対しては,連帯債務者の一人に対する債務の免除をする場合の債権者の通常の意思に反するとの批判があります。

すなわち,債権者が連帯債務者の一人に対して債務の免除をする場合には,債権者は単にその連帯債務者に対
しては請求しないという意思を有しているにすぎず,他の連帯債務者に対してまで債務の免除をするという意思は有していないのが通常であるというのです。

連帯債務者の一人に対する債務の免除が単にその連帯債務者に対しては請求しないという意思表示にすぎないのであれば,他の連帯債務者にまでその影響を及ぼすべきではなく,債権者は他の連帯債務者に対しては全額の請求をすることができるとすべきです。

また,債務の免除を受けた連帯債務者は,他の連帯債務者からの求償に応じたとしても,債権者に対してその分についての求償(不当利得返還請求)をすることはできないとすべきです。

なぜなら,ここで債権者に対する求償を認めてしまうと,債権者の通常の意思に反するのみならず,いたずらに求償の循環を生じさせることになる上,理論的に見ても,前述のとおり,債権者は債務の免除を受けた連帯債務者でない連帯債務者に対する債権に基づいて当該債権額に相当する金銭の支払を受けたにすぎず,法律上の原因なき利益を何ら取得していませんから,債務の免除を受けた連帯債務者の債権者に対する不当利得返還請求権は発生しないと考えられるからです。

そこで,本文アでは,連帯債務者の一人に対する免除には相対的効力しか認められないことを原則としつつ,当事者間の別段の合意によって絶対的効力を生じさせることは妨げないものとしています。

また,本文イでは,債務の免除を受けた連帯債務者は,他の連帯債務者からの求償に応じたとしても,債権者に対してその償還を請求することはできないものとしています。

なお,このように連帯債務者の一人に対する免除を相対的効力事由にしたとしても,債権者としては,ある連帯債務者に対して全部免除の意思表示をするとともに,その連帯債務者の負担部分の限度で他の連帯債務者に対しても一部免除の意思表示をすれば,現行民法第437条と同様の帰結を得ることが可能です。

(4) 連帯債務者の一人との間の混同(民法第438条関係)

民法第438条は,連帯債務者の一人との間に混同があったときは,その連帯債務者は,弁済をしたものとみなすと規定して,連帯債務者の一人との間の混同を絶対的効力事由としています。例えば,A,B,Cの3名の連帯債務者が債権者に対して30万円の連帯債務を負い,その負担部分がそれぞれ平等である場合において,債権者と
Aとの間で混同が生じると,Aが弁済をしたものとみなされ,AはBとCに対して10万円ずつの求償をすることができるにとどまることとなります。

しかし,民法第438条の規定に対しては,債権者が他の連帯債務者に対して各自の負担部分について求償することしかできなくなってしまうのは,通常の債権者の意思に反して連帯債務の担保的機能を弱めるものであるという批判があります。

そこで,本文アでは,連帯債務者の一人との間の混同には相対的効力しか認められないことを原則としつつ,当事者間の別段の合意によって絶対的効力を生じさせることは妨げないものとしています。

これによれば,上記の例では,債権者とAとの間で混同が生じたとしても,BとCはAに対して連帯して30万円を支払わなければならないままとなります。

そして,BがAに対して30万円を支払うと,BはAとCに対して10万円ずつの求償をすることができることとなります。

以上に対して,求償の循環を避ける観点から,連帯債務者の一人について生じた混同については,その連帯債務者の負担部分の限度で他の連帯債務者もその債務を免れるものとするという考え方があるので,これを(注)で取り上げています。

この(注)の考え方によれば,上記の例では,債権者とAとの間で混同が生じた場合に,Aの負担部分である10万円の限度でBとCはその債務を免れることになり,BとCはAに対して連帯して20万円を支払えばよいことになります。

そして,BがAに対して20万円を支払うと,BはCに対して10万円の求償をすることができることになります。

(5) 連帯債務者の一人についての時効の完成(民法第439条関係)

民法第439条は,連帯債務者の一人について時効が完成した場合には,その時効が完成した連帯債務者の負担部分の限度で絶対的効力を生ずることを規定しています。

例えば,A,B,Cの3名の連帯債務者が債権者に対して30万円の連帯債務を負い,その負担部分がそれぞれ平等である場合において,Aについて時効が完成したとすると,その効力はAの負担部分である10万円の限度でBとCにも及ぶことになり,その結果,BとCは債権者に対して連帯して20万円を支払えばよいことになります。

ここで,Bが債権者に対して20万円を支払うと,BはCに対して10万円を求償することができますから,結局,債権者は20万円を受け取り,BとCが10万円ずつを支払ったことになります。

仮に同条が存在しないとすると,上記の例では,Aについて時効が完成したとしても,BとCには何らの影響も及ばず,BとCは債権者に対して連帯して30万円を支払わなければならないままとなります。

そして,Bが債権者に対して30万円を支払った場合において,Aに対して10万円の求償をすることができるとすると,その求償に応じたAは債権者に対して10万円の求償(不当利得返還請求)をするこ
とになり,求償の循環が生ずることになります(ただし,この例において,債権者は,Bに対する30万円の債に基づいてBから30万円の支払を受けたにすぎず,法律上の原因なき利益を何ら取得していませんから,Aの債権者に対する不当利得返還請求権は発生しないとも考えられます。)。

また,仮に時効の完成したAに対しては他の連帯債務者は求償をすることができないとすると,Bは,Cに対して10万円の求償をすることができたとしても,自らの負担部分を超える20万円の負担をしなければならないことになり,結局,債権者は30万円を受け取り,Bが20万円を,Cが10万円をそれぞれ支払うという不公平な結果となります。

同条の存在意義は,以上に述べた求償の循環や不公平な結果を回避することにあるとされています。

しかし,民法第439条の規定に対しては,連帯債務者の一人についての時効の完成を絶対的効力事由としてしまうと,債権者は,連帯債務者のうち資力のある一部の者からの弁済をあてにしている場合であっても,資力のない連帯債務者についても時効中断の措置を講じておかなければ,その者についての時効の完成によって,資力の
ある連帯債務者の債務が縮減されてしまうという思わぬ不利益を被りかねないとの批判がされています。

そこで,本文アでは,連帯債務者の一人についての時効の完成には相対的効力しか認められないことを原則としつつ,当事者間の別段の合意によって絶対的効力を生じさせることは妨げないものとしています。

ところで,本文アのように,連帯債務者の一人についての時効の完成を相対的効力事由とする場合には,連帯債務者間の求償関係について,さらに検討をする必要があります。

時効制度の目的を,自らが債務を負っていないことや既に弁済をしたことの証拠を保全する負担から債務者を解放することにあると捉えるのであれば,時効の完成した連帯債務者に対して他の連帯債務者が求償することを認めてしまうと,上記の目的を貫徹することができなくなると指摘されています。

上記の例で言えば,債権者に対して30万円を支払ったBが,時効の完成したAに対して10万円の求償をすることができるとすると,Aが時効制度によって自らが債務を負っていないことや既に弁済をしたことの証拠を保全する負担から解放されたことの趣旨が没却されるとの指摘であります。

しかし,一般に,負担部分を有する連帯債務者は,債権者との関係において連帯債務を負うのみならず,他の連帯債務者との関係において求償債務を負う可能性を常に有しているのですから,債権者との関係において上記証拠を保全する負担から解放されたからといって,他の連帯債務者との関係においても上記証拠を保全する負担から解放されることを期待するのは相当でないとも考えられます。

このように考えれば,連帯債務者の一人について時効が完成した場合であっても,その連帯債務者に対する他の連帯債務者の求償が制限されないことは,特に問題視すべきことではないことになります。

なお,本文では取り上げていませんが,今後の検討課題として,このように他の連帯債務者による求償を制限しないとの考え方を採る場合に,債権者に対して求償(不当利得返還請求)をすることを認めてよいかが問題となり得ます(本文イ参照)。

というのも,このような求償を認めると,いたずらに求償の循環を生じさせる結果となるし,理論的に見ても,債権者はBに対する30万円の債権に基づいてBから30万円の支払を受けたにすぎず,法律上の原因なき利益を何ら取得していませんから,Aの債権者に対する不当利得返還請求権は発生しないと考えられるからです。

3 不真正連帯債務

前述のように,法律の規定により連帯債務とされるもののうち共同不法行為者が負担する損害賠償債務(民法第719条)については,判例・学説は,絶対的効力事由に関する一部の規定の適用がない不真正連帯債務に該当するとしていますが,本文アは,絶対的効力事由を廃止するという点で,前記(1)とともに,判例上の不真正連帯債務に関する規律を原則的な連帯債務の規律として位置づけるものといえます。

これによれば,不真正連帯債務という条文に存在しない概念を用いる必要性は失われることになります。
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2013/09/21 08:21|法律情報TB:0CM:0

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